詩人:どるとる | [投票][編集] |
寒さをごまかすように話をつなぎながら
白い息を吐き出してどこまでも歩いた
終電を少しばかり 過ぎたあたりの
駅の近くのコンビニ 雑誌コーナーで立ち読みした
窓の外には 終わりのない闇が広がっている
宛のない 想像で 隙間を埋めながら
不安をどうにかしてかき消そうとした
へとへとになるまで歩いた
疲れはてて もう何にも考えられない
見上げた空に 星をひとつ見つけた
若すぎる僕は 鋭い感性に 振り回されてた
寒いねってわかりきったことを
わざわざ言葉にするのはなんでだろう
雪でも降りそうな 寒い夜には
誰かのぬくもりが ありがたい
何をすればいいのか それさえ曖昧だ
僕たちは 宛名のない手紙のようだった
行き場なんか ない
頼りないのはわかってるさ だけどそれでは 心許ない
手のひらに 伝わる熱で じんわりと
かじかんだ手が 温められてく
この気持ちはなんだろう 名前をつけられないなあ
言葉では 伝わらない 気持ちは なぜ手をつなぐだけで簡単に伝わるのかな
海を照らす 灯台のように
道に迷わないように 光を届ける道しるべ
それが 君だと気づくのに時間は かからなかった
宛のない 想像で 隙間を埋めながら
不安をどうにかしてかき消そうとした
へとへとになるまで歩いた
疲れはてて もう何にも考えられない
見上げた空に 星をひとつ見つけた
若すぎる僕は 鋭い感性に 振り回されてた。
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燃えるような茜空 黄昏に染めて
渋滞の道で 信号待ちしている
夕日の反射光 眩しくて目を細めた
やっと動き出した 渋滞にほっとする
開けた窓から 覗く空は もう
焼け焦げたみたいに真っ暗で
イメージだけで遠くへ行ける
自由は いつも僕に手招きしてる
ため息の多い 毎日だけど
揺るぎない思いひとつ
落とさないように 風に乗るグライダー。
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日が暮れてしまうその前に
伝えなきゃいけないことがある
でも誰に何を 伝えればいいのだろう
下ろし立てのギターのCとGのコードで
下手くそな 声をメロディに乗せて
通りの木々の葉っぱも 散ってしまう
季節は もうじき冬を迎える
凍えてしまいそうな 手を擦りあわせて
見上げた空に 見つけた流れ星
たったひとつだけ願いが叶うなら
何を僕なら 願うだろう
「あなたに この気持ちが届いたなら」
忍ぶように 胸に秘めた淡い 恋ごころ
言葉では 伝えきれそうもないから
全部は 言い切らずに大切なことだけ
曖昧であやふやな 思いだから
確かに 伝えるには些か難しい
真っ白なノートのページめくって
描いた 相合い傘 君と僕の名前
窓の外に 北風が吹いて 寒そうだ
油断すると 切なさに焦がれてしまう
恋なんて 通りすぎたものだと思ってた
でも気づいたらまた恋に落ちている
手をつながれただけで 幸せになれるなんて 信じられない
小指に結ばれた赤い糸 たどれば 君がその先で僕に微笑む
出会いとは ほんの少しの小さな奇跡
縁が あれば またどこかで出会う
そういうものだと 運命が 笑うよ
見過ごせない 気持ちに気づいたなら
それはもう恋だ
凍えてしまいそうな 手を擦りあわせて
見上げた空に 見つけた流れ星
たったひとつだけ願いが叶うなら
何を僕なら 願うだろう
「あなたに この気持ちが届いたなら」
忍ぶように 胸に秘めた淡い 恋ごころ。
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夜が 明けて 雲間から日射しが 差し込んで
気づいたら もう昼を回っていて
僕はあわてて 身支度を整える
鞄には 少しのお金と ありあわせの勇気を入れて
笑顔を絶やさないように 気をつけながら 行くよ
たいした 訳もなく悲しくなってみたり
ふいに脈絡もなく嬉しくなったり
簡単に 幸せにもなるし 不幸にもなる
つまりはわがままで 気まぐれなんだよ
おはようから 始まる1日が
お休みで終わる 1日が
何度 繰り返されるんだろう
この先ずっと
同じような 今日を迎えては 見送って
同じようなことで 悩んで 同じように迷って
隙あらば思い出し笑いなんかしているよ
打ちのめされながら 思い知らされながら
生きている 喜びをかみしめているんだよ
大好きな 人や大嫌いな人にも出会って
引き出しは思い出でいっぱいになって
少しは 一人で出来ることも増えたよ
物で溢れかえった 部屋の中で 欲望は尽きず まだまだ足りない
一眼レフを 構えて 写真を一枚 撮って
フレームの中に 世界を閉じ込めても
世界をまだ僕は半分も知らない
おぎゃあと 生まれた あの日
世界は僕の目にどんなふうに映っていたのだろう
考えたらきりがない
明日どうなるかわからないから
今日やりたいことはすべてやりたい
後悔がないように生きても後悔してばかりだ
自分の 小ささや 愚かさに気づかされながら
それでも 向かい風に抗って 生きてるよ
嫌々生きてる 人もいる
好きで生きてる人もいる
大半は後者かな
でも 愛する人がいる人生なら
きっと そんな人生も悪くはない
問題は 山積みだ
宿題は 何歳になってもあるんだよ
おはようで 始まる1日が
お休みで終わる1日が
また 夜明けと 共に始まる
今日はどんな日になるだろう。
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世界の果てを 見てきた訳じゃないのに
世界のすべてを知っている口振りだ
足元に 伸びてる 道はどこまで
続いているのだろう
道しるべを 見失ったところから
本当の旅は始まる
分かりやすいスタートラインなんかないんだよ
人生は いつだって自分との勝負だから
いつもどんなときでも スタートはたった今だ
合図を 期待せずに
走り出すほうが 先だ
砂ぼこり舞いあげながら 走る風
境界線を踏み越えたその先のストーリー
ゴールなんて 決めつけなきゃ 終わりなんてない
終わりなき成長のあるいは 進化の途中にある
スタートラインにやっと 立てた気がする
目には見えないけど 胸の中で スタートの銃声がしたよ
向かい風の中を 走る 覚悟のある者にだけ見える明日
膝小僧の傷なんて笑い飛ばしてやるさ
「夢をつかんだその瞬間に 今までの苦労なんか なかったことになる」
僕も同じ気持ちになれるかな
尊敬する あなたと同じ場所に行けるかな
道を外れたメロディラインを 追いかける
分かりやすいスタートラインなんかないんだよ
人生は いつだって自分との勝負だから
いつもどんなときでも スタートはたった今だ
合図を 期待せずに
走り出すほうが 先だ。
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ポケットの中には 少しのロマン
それときれいな嘘を紡ぐ唇
行ってみたいなよその国
たどり着きたいその場所
星を 掴みたくて手を伸ばした夜
芝生に寝転がり 見上げた 星空
カシオペアって言うんだとあとで知った
僕らの瞳の 中にあるもうひとつの宇宙
言葉は いつも唇の手前で 立ち止まる。
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雨のように 降りかかった
悲しみは しばらく町を濡らして
足跡のように 刻まれた
道しるべを 夜が追いかける
誰かのせいにしたいよ
足りない 隙間を埋めながら
覚えたばかりの ずるさを今こそ使って
名前を呼ぶとき そこにいる 誰かに
ただうなずいてほしいと思う 願い
足りない汚さは悪が埋めてくれる
正しさを 疑うときに僕はきっと
レールを外れて 誰かと同じ人間になる。
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帰宅途中の 疲れた顔のサラリーマンや
渋滞で苛々してる ドライバーの
瞳の中に 今年最初の雪を降らすよ
駅前にある 大きなツリー
赤と緑の電飾
てっぺんに 飾られた 銀色の星
今年も やってきたんだね
クリスマスに乗じて
活気を 取り戻そうとする 商店街
呆れながら 僕は通り過ぎた
大人にだってクリスマスは あるんだよ
12月になるといまだにそわそわするんだ
いつまでも消えない思い出が 僕にはあるから
大人になっても 忘れられないような
クリスマスを 君にプレゼントしたい
僕は きっと君にとってのサンタクロース
イメージとはだいぶかけはなれているけど
君にメリークリスマス
今夜は 誰もが 笑って過ごせる 夜だ
くたびれたネクタイと よれよれのスーツ
大きなケーキを 買って帰るお父さん
家に帰れば 子供たちの笑顔が待ってる
普段は 邪険に扱う子供も クリスマスともなれば
ご機嫌とるように 肩揉みなんかするさ
見え見えなんだよ プレゼント目当てだね
でもそんな子供の無邪気さにこそ 愛がある
クリスマスだってだけで特別な夜だ
町中 その話題で持ちきりだろう
主役はきっと子供たちだろう
ならばお酒は控えめにしようかな
いつもは 話さないような会話もはずんで
美味しい料理に舌鼓 こういうのも悪くない
子供にとって お父さんはサンタクロース
明日になったら きっと また
魔法はとけてそっけない態度だね
だけど 今夜は みんなで笑って
過ごせる 夜だ
君の瞳に 落ちた星が 輝いて
ほらね 願い事ひとつ 叶ったよ
こんな時間 ずっと忘れてた
一杯だけ ワインを飲もうかな
ほろ酔い気分で 見上げた空に
星が 流れてった。
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かじかんだ手 寒さのせいで動かない
終電間近の夜 遠くで鳴る踏切の音
宛もないまま ただ同じ場所をぐるぐると 行き交うばかりの日々
言葉に出すには まだ恥ずかしい思いだ
だけど いつかは言葉にしなければいけない思いだ
長いこと仕舞ってた思いをポケットから出した
打ち明けてからしばらくの沈黙のあと
君は静かに口を開いて 泣きながら待ってたよと 顔をほころばせながら
二人は寒空の下で長いキスをした
ささくれた唇が 寒さを物語ってる
買ったばかりの 煙草に火をつける
君は今何をしているんだろう
手を離しても逃げやしないのに 心配になる
二人を阻むのは 忙しさくらいだけど
それがあるせいで会えない 日々が続いてる
その寂しさごと 愛せたならいいな
電話の向こうにいる君に 声のトーンで
落ち込んでたりすると 見透かされて
思わず 泣いてしまった 長い長い 電話のあとの ため息は
むしろ僕が立ち直ったあかしなんだよ
今君は悲しいのかなうれしいのかな
どんな気持ちなのか当てて見せようか
会えない寂しさは むしろ ありがたかったりするんだよ
その寂しさが くれる時間は 僕に 大切なものを教えてくれるから
長いこと仕舞ってた思いをポケットから出した
打ち明けてからしばらくの沈黙のあと
君は静かに口を開いて 泣きながら待ってたよと 顔をほころばせながら
二人は寒空の下で長いキスをした。
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僕が漕ぐ自転車の 車輪が回って
歯車が噛み合ってくみたいに
進んだり戻ったりしながら
しだいに広がる道の先を見てる
雨上がりの 夜明け
無数の星が 降る
泣きながら 笑う君を僕は見てる
ささやかな 喜びをゆっくりと味わって
図鑑にも載ってない場所に憧れて
やたら 夢見がちな少年になって
言葉は僕にはどうも足かせで
世界を狭くする 思い込みに相違ない
世界の全てを記した世界地図にも
載ってない 場所は自分で見つけなくちゃ
どうやら ルールとは誰かを縛るためにあるものじゃないらしい
だから星の巡りについて 考えたところで
ただそうであるというだけで
僕らは答えだけを 知らされているだけ
雨上がりの 夜明け
無数の星が 降る
泣きながら 笑う君を僕は見てる
ささやかな 喜びをゆっくりと味わって
味わい尽くしたら
空の皿に 新しい
世界が また 盛りつけられる
箸を伸ばして 食らいつこう
それが未知を知るということ。