詩人:どるとる | [投票][編集] |
静かに 注がれる
ワインにも似て
芳醇な血潮が
身体中を 忙しく巡る
古いレコード
針を 落とせば
溢れ出すメロディ
意味と無意味の
間に 立って
深呼吸
見せてあげよう
私の醜い 中身を
この世界は
物語の一頁
見せてあげよう
あなたが望むなら
黒い はらわたを
えぐり出して
新しい扉を開けて
白い指で夜明けを描いて
爪先の リズムで
上手に 地面に
降りたって
夢のあとのまどろみに 沈む。
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ほんの小さな奇跡は気づかないだけでどこかで起きている
そんなことだって あるだろう
あるといいなと 思っただけの 今日
もうじき クリスマスです
やたら 乗り気の 街並みだから
僕まで つられて ツリーなんか 買っちゃった
白い雪でも降ろうものなら
もう シチュエーションは出来上がり
恋をしよう 冬山へ行こう
気取ったベッドに飛び乗ろう
ほんの小さな 奇跡は毎日 どこかで
気づかないだけで 起きている
退屈な日々を 飽きさせないように
ちゃっかり用意されてる サプライズ
箱を開けるまでが お楽しみ
止まらない ドキドキ 永遠に続けばいいのになあ
良いことなんかなくても12月になると
笑えてくるよ
魔法なんてのは 信じてないけれど
サンタクロースも いてくれたらいいなと思うし
大切な人が泣いているより笑って くれたらいいと思うことも本当だから
こうやって ただ過ぎてくばかりの毎日を
変えてくれたものを思い出していたら
それは君の存在だって 気づいた 今日
ほんの小さな 奇跡は毎日 どこかで
気づかないだけで 起きている
退屈な日々を 飽きさせないように
ちゃっかり用意されてる サプライズ
箱を開けるまでが お楽しみ
止まらない ドキドキ 永遠に続けばいいのになあ
だから 雪降る街の空を
誰かを思いながら
見上げる 誰かさんの瞳に 流れる星は
あんなにも きれいに輝いているのかな
ほんの小さな奇跡は気づかないくらい
ささやかなもののほうがいいんだよ
人間は欲張りな生き物だから
少しずつ幸せを 味わうくらいが ちょうどいいんです。
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舗装された道積もる雪の上に上手に足跡を つけていく
互い違いの僕らの 歩幅は 狭くなったり広くなったりする
僕の街には 例年より少し早い雪が 観測されたらしい
首を温めるためのマフラーがいるな
君の下手くそな手編みのマフラーの出番だ
ふざけあって じゃれあっているだけで
毎日は 面白いように過ぎてく
一枚また一枚とカレンダーはめくれて
もうこんな季節かと驚かされる
窓の向こう 白く積もる雪と揺れる明かり
つい言葉を忘れてしまいそうになる
つないだ手の温もりはほどけない約束を
結んで すぐに消える足跡を見て儚んだ
言葉を 選びながらしりとりのように 続けていく
君と僕とで交わす会話のキャッチボール は途切れ途切れ
気の利いた言葉を 言えたらいいのに
余計な言葉でつい君を 傷つけてしまう
背中あわせの夜は長く 君をより近くに感じた
あの日の涙 今も僕の胸の中に 忘れ物のように残ってる
過剰なくらいに 輝いている にぎわう街のざわめき
人混みに酔いながら帰り着く家路
ただそばにいるだけでいい そんな気持ち いつまでも 変わらぬようにと 思った
幸せは きっと気づかないくらい
ささやかだから 大事に思えるんだよ
君の言葉が 固くかじかんだ僕の胸の雪を 静かに溶かしてく
窓の向こう 白く積もる雪と揺れる明かり
つい言葉を忘れてしまいそうになる
つないだ手の温もりはほどけない約束を
結んで すぐに消える足跡を見て儚んだ
その時の痛みを 絶え間ない優しさに変えて。
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真っ白な 紙とペンさえあれば
消しゴムなんか要らないよ
書き損じは 残しておくことだ
何処が 間違えたのかを覚えておく為に
記された 思い出の足跡が
ゆっくり 記憶をたどっていく
回想の旅が ここから始まる
時の汽車が 動き出す
星の散らばる 海原を 行く 汽車の窓から 見える 月の クレーター
写真には 残らない思い出は まぶたの裏で
おぼろげに 覚えておこう
言葉は形になっていく
伝えたいことが伝えたい人に
伝わるようにと 思う僕やあなたの
心に 魔法をかけて。
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夕暮れの野球グラウンド
君は マウンドを走る
点をとられて 悔しそうにしていた
遠くから 声援が聞こえる
負け勝負涙を 拭いて笑った
泥だらけの ユニフォームとスパイク
木のバットと色褪せたグローブ
見上げた 空には もう星が輝いて
日の短さに 僕らは冬を 思う
手をつなぐことさえ恥ずかしいから
指を絡ませて 照れ笑い
東京の暮らしは どうだい?
うまくやれていますか?
メールは苦手だから 電話をください
ふるさとは 今日雪が降りました
写真を一枚送ります
あなたが家族を忘れないように
いつだって帰る場所は ここにあるから
嫌になったら 帰って来てください
あなたの ことが心配な母親のお節介です
何よりあなたが幸せであることを願う
段ボールいっぱいの仕送り
封筒に入った 手紙
涙ながらに読んだ夕暮れに
僕はあなたを 思った
遠く離れた 場所、知らない土地での暮らし
慣れたなんてお世辞にも言えないけど
なんとか 暮らしています
押し入れから引っ張り出した
小さなグローブは僕にはもう小さすぎるね
僕はもう立派な大人だ
一人でなんでもやらなくちゃ
だから見守ってて
あなたの 出来損ないの息子からの 最後のわがまま。
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ページをめくるように また 今日が明日になって
明日が 明後日になって
季節も変われば 気持ちも変わっていく
変わらないことなんてひとつもない
でも変わらないことがあれば いいなと思う
何にもやることが 見つからない
日曜日の 昼下がり
ただ空を 見上げるこの時間が
忘れていた気持ちを教えてくれた
生きていると気づいたとたん世界が 眩しくて
ありふれたことも 片っ端から 特別になる
そんなこんなで過ぎてく毎日を
指折り数えて 目覚めてはまた眠る
夜が明けて また日が沈んで
家路を急ぐ 夕暮れ
時間と おいかけっこしながら
追い付かれないように逃げるけど
いつも気づけば 追い越されている
嬉しいときも 泣きたいときもある
そんなときは素直に笑ったり泣くことだ
気持ちに嘘をつく必要がないなら
春が飛んでいる 緩やかな日差し
僕は素敵な言葉を探してる
昨日までは 気づかなかった 喜びに
今日出会えたことを誰が知るだろう
昨日の僕だって知らなかった
まだまだ 笑えるって気づいたとたん 明るくなった
涙なんて笑うためのついででいい
性懲りもなくまた すぐに 立ち直る
自転車飛ばして 何処でもない何処かを
目指して走る 夜明け前
悲しみに追い付かれないようにと
走るけど 気づけば悲しみはすぐ後ろにいる
ふっと吐き出す吐息が 白くなる
この分じゃもうじき雪が降るだろう
寒さを 緩和するように ポケットに忍ばせた手を
握ってくれる 誰かの手を探す
僕が 自分以上に大切に出来る誰かを 見つけたときに
見つかるだろう 温かい手を探しているんだよ。
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東京の暮らしにはもう慣れましたか?
ありふれた 言葉が綴られている 月に一度のあなたからの手紙
遠く離れた この街であなたの知らない 僕の暮らしは
本当は 辛いけど
あなたに心配をかけたくなくて
ちゃんとやってると嘘をつくんだ
でもあなたのことだから
僕の 嘘にとっくに気づいてるだろう
でも気づかれないように する僕は
あなたが気づいてるのを 知っても
気づかれてないふりをしてるんだよ
泣きながら読んだあなたからの手紙は
何度も読んで しわくちゃになって
文字が涙でかすれて インクがにじんで
それでも毎月 楽しみにしてるんだ
いつもあと少しで言えない言葉も
強がりに 邪魔されなければ 言えるだろう
もう幾度もの季節をこの街で 迎えて
知り尽くしたと 思ってたけど
まだ知らない 寂しさがありました
まだ知らない 幸せがありました
人に自慢できる夢を持っている
そんな人になりたくて東京に来たよ
でも僕が思ってたほど
いいことばかりじゃなかった
でも後悔はしてない
僕が選んだ道だから
僕は今あなたに手紙の返事を書いている
何度も書き直して漸く 書き上げたよ
相変わらず下手くそな字ですが
それを見て僕を思い出してくれたらいいな
窓の外に 降る雪は最後の季節を
飾るように しめやかに
街を 白く染めていく
止まった電車の ホームに 佇む人々
その一人一人に ある夢が この街を この空を 輝かせている
僕もその中の一人になれたらいいなあ
泣きながら読んだあなたからの手紙は
何度も読んで しわくちゃになって
文字が涙でかすれて インクがにじんで
それでも毎月 楽しみにしてるんだ
今度の休みには そっちに
久しぶりに帰るから 待っててくれたら嬉しいな。
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ただいまって言ってくれる 人は
おかえりって言ってくれる人を待ってる
おかえりって 言う人は ただいまって言う人を待ってる
暗くなるまで 残業してるあなたの 帰りを
待ってる 人をこれ以上寂しくさせるわけにはいかない
君は僕が言うただいまのあとの 笑った顔が好きで
僕はというと君が言うおかえりの 笑った顔がやっぱり好きで
お互いに好きなとこが同じだということが また好きなところで
つまりは それが幸せになるための 秘訣
お互いに同じ好きなところを 持つこと。
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夕暮れの街 沈む夕日と肌を突き刺す冷たい風
影に難なく追い越されて 寂しさがぐっど込み上げた
つないだ手から伝わるぬくもりは
永遠じゃないけど 永遠じゃないから
特別に思えるのかもしれないみたいだ
もっとあなたが 笑ってくれるように
ただそれだけを ずっと思いながら
ひとつまたひとつ過ぎていく年月を
指折り数えて いつの間にか歳をとって
二人は 昨日よりも少しずつ
二人らしくなっていく
そんな幸せをかみしめながら 雨の中でも 咲いていたい
めまぐるしく変わる時の中を 行く小さな舟に乗って
言葉には到底できない 気持ちなら
答え合わせはいらないね ただ お互いを思うだけだ
愛が 何かなんてわからないけれど
君が僕を思い 僕が君を思うことが
きっとそうなんだと思うんだよ
二人の間に 積もる雪は足跡を消してく
また 一からのスタートだ
スタートラインから歩き出そう
迫る 夕闇に追い付かれないように走った
この手をちゃんと 離さないでいられるかな
なんでもない ありふれた 瞬間に ふと見える 幸せは
お金でも地位でも名誉でもなく
たった一人の微笑みが くれるんだ
もっとあなたが 笑ってくれるように
ただそれだけを ずっと思いながら
ひとつまたひとつ過ぎていく年月を
指折り数えて いつの間にか歳をとって
二人は 昨日よりも少しずつ
二人らしくなっていく。
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住宅街を通り過ぎてしばらく歩いてく
風が残した足跡を辿っていくように
吐き出した ため息を白く染めるのは冬
まだ持っていたんだな誰かを思う気持ち
雑踏の中、人混みに酔いそうになる
一夜だけの魔法この街が きらめく理由
遠く離れたこの街で迎える二度目の冬
あなたは 誰と笑っているんだろう
幸せになんかなれなくてもいいから
ただ願うことは あなたの幸せが続くこと
今話題の映画を観に行こうか
何年か前の映画のリメイク作
つないだ手を 離さないように強く握った
次第に かじかんだ手は 熱を持っていく
まだなんだかぎこちない二人は
人の流れに乗れず うまく先へ進めない
君といると何でだろう理由もなく笑える
一歩ずつ歩み寄っていければいいな
降り積もる 時間が思い出になっていく
この幸せが永遠に続けばいいと
願った二人が いたことを僕は忘れない
砂時計は 落ちきって また新しい時を 刻むよ
一分でもそれを積み重ねれば
人の 一生に値するんだよ
僕も 誰かをまた愛せるだろうか
雑踏の中、人混みに酔いそうになる
一夜だけの魔法この街が きらめく理由
遠く離れたこの街で迎える二度目の冬
あなたは 誰と笑っているんだろう
幸せになんかなれなくてもいいから
ただ願うことは あなたの幸せが続くこと。