詩人:どるとる | [投票][編集] |
やさしい歌を歌いたい
曲がりなりにも誰かのためになるような
やさしい歌を歌いたい
歌とはいっても口では歌わない
歌いたいのは心で歌う歌なのさ
誰かの心の中に降る雨を弱まらせられるようなありふれた歌を歌いたい
飾らない言葉で
声じゃないから耳では聞こえない歌を心で感じてほしい
悲しみと喜びのあいだの少しの休息がなにげなく僕を救っているのさ
涙もすぐ乾くさ
誰かに優しくできた1日はすばらしいといえる1日だ
今日を頑張った自分を誰かが認めてくれなくても
自分自身が認めてあげればいいじゃないか
他人の評価に優しさやぬくもりがないならばそんな評価はただの雑音だ
聞かなかったことにしてはなまるをあげなさい 今日1日を死に物狂いで生ききった自分に
ほら 遠慮なんかすることはないんだ
空が赤く染まればどこからともなくやさしいメロディが流れてなぜか胸が熱くなる
こみ上げる言いようのない気持ち
今日1日の様々な出来事と交わるようにほらやさしいメロディと心の中に浮かんだやさしい言葉
この街にも見えないだけで耳をすませば聞こえるはず
やさしい歌の種がそこらじゅうに植わってるはずだ
やさしい歌を歌えばたちまち涙が流れて
止まらない まるで雨のように あたたかく頬を何時間も伝う
世界中の時が止まったように不思議な感覚が胸を突き刺す
痛いのになぜか心地いい
今、やさしい歌に包まれている 僕はとても幸せ
言葉になんかできなくたっていいんだよ
ただ そんな気持ち感じれたら いいから
悲しいだけの涙がすばらしい微笑みに変わるその瞬間を見逃さないで すべてが悲しみで滲んでしまうまえに 笑っていた自分を記憶に焼きつけて
そして また涙と笑顔の数だけ
折り重なるいくつもの夢と思い
やさしい歌はまた笑顔になった僕を見て安心したのかどこかで泣いてる誰かのもとへと流れてゆき
涙の痕だけ残す。
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悲しみという名の雨に降られ
ひとりきりただ雨の中で長靴履いて棒立ちだよ
予想外の天気雨みたいにさ思いもしなかった悲しみとの遭遇に痛む 胸の内
悲しみという名の雨に濡れて
今の気持ち うまく言葉になりゃしない
梅雨時の 5月には
かたつむりと戯れ
今みたいな 2月には
途方もないほどの夢を抱き そのひとつひとつを夏へと向かう道端でひとつずつ捨てるように諦めた
ヘンゼルとグレーテルのお話みたいに
道しるべじゃないけどパンくずを落とすように
そんなロマンチックなことを言っているうちに
景色は春へと移り変わり桜がもう少しで咲きそうです
目をつむれば今も覚えてるあのころのように
今はただ 僕はただ
今はまだ 僕はまだ
悲しみという名の雨に濡れて桜が咲くのをじっと待つ
雨がやむその時を
花びら舞うその時を
悲しみという名の雨に濡れて詩でも書きながら待つよ
ふいに吹いてみた口笛が空にのぼる
そんな他愛もない出来事がみょうに優しいね
そして日は予定通りしずむ。
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誰もが抱えてる悲しみだけどそれぞれにしかない悲しみがある
僕だけが悲しいと言ったら嘘になるけど確かに僕の悲しみは僕にしかわからないものだから悲しいのは事実だ
誰もが抱えてる悲しみをもしひとりの人がすべて請け負ったらきっと人は同情もできるだろう
だけれど残念ながら誰もが抱えてる悲しみだから
人は容易には優しさを見せない
かけてもらえる言葉があるとしても『みんな同じでしょ、我慢なさい』
ただそれだけだ
だから誰もが抱えてる悲しみを自分だけのものにはできない
誰もが悲しいから
悲しみはそれぞれに割り当てられひとつじゃない
けれどみんな悲しい
何かしらは悲しい
だからこそ
誰もが悲しいから
すべての人に頷いてあげることが大切だ
確かに同じではある
だけれど感じてる悲しみは簡単に束ねていいものではないし
大きさも種類も違うものだから
いっしょにはできない
だから 同じでしょだとか我慢なさいとかいう言葉では片づけられない
悲しみの色がほら
どれとはなくこの街の中に深く際立って見える
涙という小さなSOSがこぼれては流れて光ってる。
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雨なんてほっといたってやむもんだって誰かがふいに言った気がした
悲しみもそうなのかなって言おうとしたけど つまらないたとえ話を繰り返す時間など僕にはなかった
こうしてただすれ違うだけの人々
無機質な感情をむき出しにして十字路を行き交う
能ある鷹は爪を隠す
だけれど僕は能もなければ爪もないただの人間
終焉クロスロード
僕はただひとり終わりへと向かって
今日も酸素を吸ったり吐いたり繰り返して そして眠る
同じことの繰り返しさ
生活はそれで成り立つ
悲しいほど残酷なまでに僕らはあたりまえがあたりまえじゃなくなるその時をただ待つことしか…
だから ひたすら歩き続ける この無限十字路を。
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ブロック塀の穴から夢のない未来をのぞき込んでいた
ジグザグの道は続く
ジグザグの今を乗り越えても次待つ道もジグザグロード
どこまでも
どこまででも
見渡すかぎり果てしなく続く 大草原
そんな未来だったよ
思えば 夢見てたのは
そんな大それたものじゃない いつか叶うだろう 夢のひとつもない人生じゃ悲しい
だから 僕は週末にでも時間をもうけて
田舎へイメージを膨らませに行くのさ
そしてかならず
歩こう カントリーロード
懐かしいあの道
四つ角の その先に
見える 赤い屋根の家
あれぞまさしく我が愛しの家
口笛 吹きながら
さあ 向かうはあの家
目指せ カントリーロード
世界を 見てきたような ちょっとした旅の話をひとりだけになった片親に 話す
つまみつまみながら
新発売のビール
呑み交わして
カントリーロード
続いてゆくよ
はるか 彼方
三途の川の向こう岸まで 砂利道が続く。
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運まかせ 風まかせ
気の向くまま 旅烏
なんでも人まかせ
宛てもなくふらふら
宙ぶらりんな風来坊
地に足をつけられず
空に指を突き立て
風が吹く方へ向かい
分かれ道なら枝が倒れた方へ向かう
そんな僕は不安という風にまかれ
季節お構いなしに一年中 涙流してる
あの日、どこかに届けたはずの口笛の行方
思い出の中に隠れん坊しているのかい?
夢の在処 未だ知れず
運まかせ 波まかせ
何が起きても 無神経
悲しみをなんとかごまかそうとするだけの泣き虫弱虫
降ってくる雨を責められやしないから
ただ 濡れるのがさだめだと笑っているしかない僕らは明日の足音に耳をふさぎまぶたぎゅっととじても
気ままな旅は続く
風がそこに吹くかぎり
僕は 風来坊
日々は僕を必要としているようで
まだ生きなきゃだめなようで
おもむろに 開いた扉
その向こうに期待してるのは けっして幸福ではないけれどあたりまえな笑顔が咲くめぐまれた生活だ
また 同じ景色をめぐるとしても違う角度から眺めればまた違った景色になる
方位磁石も
地図も
頼りにならない
人生という山は
自分の足と頭だけが頼りだから
さあ 開かれた扉のその先で試される
自由という名を借りた不自由のもと
僕らは 風来坊 それぞれが気取って精一杯迷い 悩み それぞれの 座席を探してゆく
まだ探してる人
もう見つけた人
様々な人がいる中で僕はどうなのかな
今、また僕は僕なりに空に向かい人差し指を突き立て
歩き出している
はるかな 旅の終わりへと
未完の地へ あの太陽の沈んでゆく場所へと
ただ ゆっくり
時間をかけて
すり減る命
タイムリミットという残り時間の中で
できるかぎりの事をするつもりさ
そんな今日もやっぱり風来坊は風来坊
僕の行く先は風だけが知っているのだ
さあ 朝焼けを合図に目を覚ませ 今、開眼の刻。
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ピエロがするみたいな愛想笑いを振りまいて
一日中 嘘や偽りで気持ちをごまかすより
いっそのこと本音をぶちまけて嫌われたほうが気持ちいい
たとえば ひとりきりになっても
人の悲しみに同情とは違う 何か 感じるものがあるように
たとえばそんな言い様のない気持ちを育てられたらいいなと思うのさ
ピエロの化粧は落としてありのまま素のままの自分にもどろう
人のために愛想笑いしたって悲しくなるだけだ
それなら愛想笑いなんかしないほうがいい
だけど人の喜びや悲しみに同じ涙や笑顔を浮かべるのは気持ちいいもんだ
どうしてだろう
そんなのわからないけれど何かが違うんだろう
だから僕は人のために泣ける人になりたい
だからだから僕は人の喜びに共に笑いあえる人にもなりたい
愛想笑いにはなんの優しさもぬくもりもないけど愛想笑いじゃない 笑顔や涙にはぬくもりや優しさがある
だからこそ僕は人のために泣きたいし
人のために笑いたい
ひとごとだと言わないでそうしたい
何時でも人のために
そして自分のために
心から泣き笑いしたいんだ
人のためになれる人になるために。
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人は運命という名のもとに生まれた
まるで開いた手のひらから解き放たれるように
命はそうやって何百年後も何千年前も
繰り返し繰り返し
結ばれては開かれて
そんな具合に まるで 童謡の歌のように
今も続いてるのです
ほら 今日もこの星のどこかであたりまえのように起こっている
手のひらをただむすんでひらいてするように
ほらね歌が聴こえるように。
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今日の終わりとともに
明日が始まる
明日の終わりとともに
再び明日が始まる
そうして人は繰り返し
時間が来るまでなんやかんやして生きる
各々が各々の思うように生きる
たまに死んじゃったりする
そんな感じ。