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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[1054] 小さな詩たちの共演・5編
詩人:どるとる [投票][編集]

『水生生物』
僕は人間でなく
魚として
生まれていたらと思うと
やっていけたかと思う
こうして見ると
多少不便ではあるけれど人間として生まれてよかったと思うよ

『光合成』
お日様の光を浴びて
元気いっぱいに咲く花のように 僕もお日様の光に勝るとも劣らない光を浴びている
それは言わずもがな「愛」という神々しい光。

『Cランク』
僕の評価はいつでもCランク
だけれどCランクのCはビタミンCのCだからなんか 栄養価がある気がしていい感じ
ポジティブインマイライフ♪

『矢』
矢は一本では
やっこいから
折れちまう
でも 何本か合わせれば
折れない
結束力がものをいう世の中ならばそんな絆で乗り越えられる
そんな気がする。

『不思議なこと』
太陽は東から昇り
西へと沈む
そんなあたりまえな出来事さえ不思議に思う気持ちがまた不思議だ
そしてそんななぜそう思うのかも不思議だ
不思議はつきない
いってしまえば
目にうつる全て
今 聞いている全て
ここにある 全て
不思議のかたまりだ
不思議じゃないものなど何ひとつない
不思議なことさえ不思議なんだから。

2010/02/10 (Wed)

[1055] 臨機応変
詩人:どるとる [投票][編集]


そんなものを兼ね備えた人間になりたいものだ。

2010/02/10 (Wed)

[1056] かなしみのうた
詩人:どるとる [投票][編集]


誰にも言えない悲しみだから
誰にも言わないままでいるよ
誰にも言えない悲しみだから
誰にも言えない悲しみならば
打ち明けられる誰かを探せと
誰かの声が聞こえてきたんだよ
誰にも言えない悲しみだけど
誰にも言えなかったはずなのに
はじめて言える人を見つけたよ
それが僕には君だったんだね

これってもしかして世にいう愛なのかって思ったのさ

誰にも言えないけれど
誰にも言いたくないけれど
君にだけは言えてしまう
だから 僕も君の悲しみを打ち明けられる人になりたいものだ

悲しみを打ち明けあい愛し合える
そんな二人になりたい
僕らが目指す未来の形

今、悲しみは形を変えて期待というものに変わった

かなしみのうた
君にだけ 唄おう
君にはなぜだか
躊躇わず言えるから
かなしみのうた
迷わないで 唄う。

2010/02/10 (Wed)

[1057] 水彩に溶けし夜
詩人:どるとる [投票][編集]


涙の向こうの景色
にじんでは揺れるそのさまはまるで風景を閉じ込めた一枚の絵のよう
まるでスリガラスを見てるよう
瞼を閉じて
今、余計な言葉をしまって
僕はそのにじんだ景色を見つめて深い深い微睡みに沈む

そして夜は始まる
全ての光を喰らい
水銀灯の中で静かに
朝は身を隠すように夜明けを待つ

名画と名高きモナリザの微笑みも消え入りそうなくらい
眩しい君の笑顔
そして大手を振り
待ち望む 未来
今はただ 夢を見て
夜を理由に 床に着く

悲しみは飽きず僕を悲しませて
喜びは呆れず僕を喜ばせて
いつもの日常がそこにあるだけ
何も変わらずに

今、夜を見つめてる僕のこの目には夜が映っているけれど
ほら ただ夜というだけでは簡単すぎてさ
なんと言えばいいのかもわからなくてさ
三日月 雲間から こちらをのぞき込んでる
あたりまえなことが全て幸せと思えたらいいなと思う
だから 夜は僕にとってはただ暗くて静かなだけでいいのさ
いつものような平穏さがあればそれで
夜は悲しくてもいいから 涙こぼすその理由をたずねることもしないまま 三日月はただ光り 窓から見上げてる僕を照らしてる
それだけでもう夜なんだってひとり頷いてひとりで納得して呟くようにおやすみを言う

水彩に溶けし夜
今、じわりと
にじんで広がる
波紋のように
涙が 心の水面を乱す

美しい その色を遠目に映して。

2010/02/10 (Wed)

[1058] 黒い春
詩人:どるとる [投票][編集]


ひとり頷いて
ひとり夢を見て
ひとり涙して
ひとり笑って
ひとり選んで
ひとり謝って
ひとりささくれて
ひとりふてくされ
ひとり苛立って

八つ当たり 壁を蹴る
やたら物に 当たる

青春のシミのようなもの

ひとり笑い転げ
ひとり抱えて
ひとりばかを見て
ひとり躓き
ひとり転んで
ひとり楽しんで
ひとり悲しんで
ひとり驚いて
ひとりしょぼくれて

そんな 僕はなんでもひとりでやれるつもり
青春のシミを 見て見ぬ振りしてた

後ろの正面だあれ
振り返ったら
そこには黒い春
桜も枯れ果て
見る影もなく
余りの儚さに
期待も散る始末

ひとりで勇んで
ひとりで失敗し
それを悔やむ
そんなことの繰り返し
いつも悲しい行き帰り

ひとりなら
責任も
全てひとりだから
気楽だ
そうでもなかった
ひとりだからこそ
辛いんだ

ひとりきり
壁に向かってボールを投げまた跳ね返ってきたボールをとりまた投げる
そんな寂しい会話は無機質な空虚を生む

ほら 黒い春が忍び寄る気配がするよ

その時、僕らはなすすべもなく粉骨砕身。

2010/02/10 (Wed)

[1059] 帰り路の黄昏
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それはそれは長い長い夢を見ているように今日も夢から覚めれば 帰り路の黄昏
飴色に染まった空をひとり 見上げてる
『なんて 自分は ちっぽけなんだろう』
そんな 気持ちを抱きて 向かう 愛の巣

低く垂れ込めた雲が教える 夕立の兆し
空が泣き出す前には帰りたい 大げさなくらい大粒の悲しみに濡れないように
片手に 傘を 持って
今はただ 帰ることだけ考える
なんと 小さな 焦りだろう
なんて か弱い 人間だろう
雨が降り出すだけなのに なぜか胸騒ぎがする

そんな帰り路
どんなBGMも似合わない
邪魔な雑音になるだけだ
黄昏ても意味はない
だけれどただ自転車を漕ぐだけじゃつまらない
鼻歌など試みる

そんな帰り路の黄昏
夢のように始まったように
夢のように最後も終わる
幕がおりるように
静かなまでにほら閉幕と相成る。

2010/02/11 (Thu)

[1060] 赤とヒューマン
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今日も世界のどこかですれ違う人と人
気持ちまですれ違う人と人
たとえば行きずりの私とあなた
それさえ関係ないとはいえない関係
無関係という名の関係

ほら シンクロする
ヒューマンとヒューマン
クロスする 赤の他人どうし
その関係はなんのつながりもない無関係どうし
なんの意味もなさないただのシンクロ現象

目を合わせただけじゃまだただの他人
言葉を交わしてこそはじめて繋がりが生まれる
私とあなたのように
最初はただの赤の他人
だけれど言葉を交わした瞬間 繋がった

そんな 出来事
今日もどこかであたりまえのように人と人とを繋げてる
たまに断ち切れたりもする
でも関係を絶っても一度関係を持ったら赤には二度と戻れない
人と人との出逢いは帳消しにはできないから

だから 私とあなたはいまだ 過去形でも恋人は恋人

たとえば赤とヒューマンの繋がりのように。

2010/02/11 (Thu)

[1061] 一本道
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幾つかの思い出に守られて今日の今日までなんとか歩いてきたよ
幾つもの夢を見て挫折もしたけれど
そのたびに僕は人の優しさと世の中の厳しさを知った
たいして生きてきた年月は長くもないけどだいたいのことはわかったつもりさ
時には世の中を憎んで
ある時は自分を責めたりして
そんな毎日が繰り返されてきた

まるで雨と晴れの境目にいるような
なんか笑いきれなくて
なんか悲しみきれもしなくて
今はもどかしい苦笑いしています
半分は笑って
もう半分で泣いて
そんな微妙な気持ち
心を真っ二つに引き裂く

たどり着いた今という場所
またとない地点
もう戻れない時間だってことはわかってる
今ここにある笑顔
そして
今ここにある涙
そして抱えてる何かしらのごたごた
その全てが夢のように思えるのは単なる思い過ごしなのかな

振り返ればなんと遠い道のりを歩いてきたのかに気づく僕がいるよ
前にも道 後ろにも道
どこまでも道が続いてる 終わりなどないように
果てしなく 道がその先の道へと未知数に

道を数えたって
数えきれるはずもない
だって道は人生の分かれ道はあれども同じ世界の同じ次元に存在する一本道

その道の中で今まで手に入れてきたもの
失ってきたもの
そしてこれから先の未来

カレンダーの数字をひとつひとつ飛び越えてきた
ビンゴのカードみたいにね 穴をあけるようにさ もう飛び越えたなら ふたたび始まることはない
過去という名のはるか後方に続いてる道
時に残酷に
時に公平に
審判は 下される
全ての人々に

そしてやがて時間が来れば当然のごとく人は灰になり天に昇るのだ

僕よ今
真っ白な気持ちでいるならば時には思い直して振り返るんだ
過ぎた事と全てを消し去らないで
確かにそこに生きてた自分を思い出して
後ろを振り返って
見つめるべき きのうを目玉に映せ
そこに何が見える?

2010/02/11 (Thu)

[1062] 命の振り子
詩人:どるとる [投票][編集]


死神の持ってる大きな大きな鎌が振りかざされるように動く運命の振り子

魂ごと切り刻むように刻々と僕をあの世へ引きずり込む

止まらないことがまだ幸いなんだ
止まってしまえば僕らは死んでしまうから
右へ左へ揺れ続ける振り子が命を司る
不思議でもなんでもないようなことでも全ては運命の命ずるままに働く
ほら命は今揺れている
いつ止まるだろうか
僕の振り子は

命の振り子の揺れるかすかな音を
聞こえないはずのその音を聴くように
僕は毎日 少しずつ掠れていく命の声に耳を傾けている
ほらまた命は減る
減れば聴こえる
命の掠れた悲しい声が

命の振り子の揺れる音のように カチカチと運命が大きく振れる。

2010/02/12 (Fri)

[1063] 熟れるまで
詩人:どるとる [投票][編集]


渋い果実も熟せば甘くなる

若い僕らも大人になれば賢くなる

大丈夫
全ては時が解決してくれるさ

風が吹くのをここで待ってれば
いつか今さえ笑える時が来る

さあ 僕という果実
熟れるまで暫し待とう そよ風すら無い
無風の場所で。

2010/02/13 (Sat)
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