詩人:どるとる | [投票][編集] |
そうだよ、ぼくは昼も夜も変わらずひとりぼっちだ
いつも風の中 佇んで 何か探してる風体
黄昏て 口笛なんか気づくと吹いてる
黄昏るつもりなんて全然ないのにね
目の前の現実から目をそらしてるのは認めよう
それでも それでもね
わかってほしいことがあるんだよ
ひとりでも 悲しくなんかない
慣れてしまえば 思ったよりも平気だよ
悲しいリピーターじゃないけど孤独なことも 自由気ままで楽だ
嘘じゃないんだ
だけれどぼくの中にいつまでも消えない
暗い何かが 確かにあるのはある
ひとりごと言うその姿が今日も切ないくらいさまになってるね、ぼくよ
本当は悲しいのだろう?
時々 こんな人生 おしまいにしたくなるよ
なぜ生きていられるのかもわからないほど今ぼくは自分がいちばん悲しいから
だから
だから
夜を見つめている
ぼくのこの瞳には
いつも止まない雨が降っているんだ
傍から見れば 何泣いてるんだって思われても仕方ないことでぼくは悲しくなる
ぼくの瞳にはね いつも 悲しみが映っている
今日も止まないその雨が ぼくのことを容赦なくぬらすんだ
今日もぼくは悲しみに降られ 心はびしょぬれさ
ずっと このまま
ぼくはいていいのかな? 空に聞いた
もしも生まれることが
自由に選べたなら
ぼくはこの世界にはいなかったことだろう
悲しみがあるから
光がどんなにまばゆくてもそれを遮る闇にまた悲しくなるから
喜びなど つかの間の安らぎに過ぎないのさ
でももう何を言おうと生まれたあとでは何も言えない
ただ この人生を生きて ささやかな生きがいを見つけることでしか明日は見えない
ひとりぼっちのこのぼくを今にも泣き出しそうなぐずついた空がほら見下ろしてる
雲に隠れた月がてらてらとぼくを照らしてる
慰めなのかやさしい月明かりをそそいでる
全ては幻だ
そんな言葉で夢は始まり終わる。
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君に何かあげたいんだけど何もぼくにはない
ぶっ飛んだ特技も
笑いとるユーモアも
気の利いた言葉も
だから おおげさな花束のかわりにぼくがあげられるものをずっと考えていた
どこまでも終わりのないあたたかなまなざしで君を見つめてあげることや
やさしい気持ちとともに君のそばにいてあげることくらいなのさ
ぼくが君にできることは
今 世界一好きな人に伝える気持ち 不器用でも一生懸命さ伝わるような精一杯の思い
まるで画用紙に絵を描くように すらすらとはいかなくても
時間をかけてゆっくりと言葉にしてゆく
ぼくはそんな気持ちの運び手だから
君に花束を
見えない花束を
手渡すよ 今
その花束は
ぼくのやさしさや
ぬくもり 束ねた
とっておきの花束なのさ
他人は聞き流せ聞き流せ
君だけに届けるための詩だ メロディだ
さあ 声をふるわせて響かせる その思い
狂おしい 愛情
今 少しずつ つぼみが開くように ほら
ぼくの中で 咲くよ
香り立つ 詩
ぼくは君と手をつなぎ
地球の地上を歩く
一歩 一歩 一瞬 一瞬
一秒 つかの間 刹那
切なさももどかしさも 散りゆく花びらも降り続く雨の一粒一粒も
全てにある 愛情
ぼくはそれを体中で
そして心で感じながら眠るように 目を閉じて 君への思いを描く
真っ白な あの空に
手を伸ばす 要領で
君に花束を
精一杯で
一生懸命な
花束を捧げる
魂 こめて
命懸けて
君に花束を
地球の真ん中で今日も時めいて。
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どうして君を好きになってしまったんだろう?
どうして君じゃなきゃいけないんだろう?
理由も思いつかないや、ただいつの間にか恋に落ちてたから
ぼくも所詮ただの人間だから
運命に逆らえるわけもなく日々0、1秒ごと数には含まれないけど歳をとる
今 ぼくは二十歳とそこそこ
いくつもの夢を見て
見るだけはとりあえず見て
べつに叶えたいわけでもないのになんとなく見て
切なさを抱いて
悲しみまで抱いて
いつの間にか大人になって 人生という山の頂上付近に来ちゃっててなんだか終わり感じて
ああ、あくびをおひとつ
くしゃみを数回
おならも数発
不器用すぎる愛の言葉は絶え間なく
なぜ 君を好きになってしまったんだろう?
それは
なぜ 生まれてしまったんだろうと聞くのと同じくらい難しいことだよ
通りすがりの誰かがぼそりとぼくに言う
理由なんていらないのさ 人を愛することには
もう好きになったから好き
それで納得できないか?
真っ赤な夕暮れが
きらめく星空に
変わって 鮮やかに
君と手をつなぎ
帰り道 ふたり 影をふたつ並べてくだらない話題でおおげさなくらい笑いあう
そんな景色 いつまでも続けば 理由なんかどうでもよくはならないか?
ほら 今日もぼくは君が世界一 好き
理由は知らないけど
理由はないと思うけど
いい加減なくらい君が好き
今日もまた 君の笑顔に 胸が 締め付けられるほど ホッとする
理由なんて いちいち決めてなんかられないのさ
ふたりがここにいれば ふたりが愛し合い一緒にいる理由なんかどうでもよくなる
コーヒーカップからあがる湯気みたいに
ほら ぼくは今日も理由もなく君が好き
理由もないのに
世界一 好きさ
いい加減なくらい君が好き
だれよりも 何よりも
どれよりも あれよりも
それよりも 何よりも
いちばん 群を抜いて
君が好き 君が大好き。
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あるがままに生きたいという人も
あるがままを知らないという人も
あるがままに生きられない人なんていないから
あるがままにあるがまま 人は誰でも生きている
肩の力をぬいて自然な姿でいることがあるがままに生きるということだから
ひん曲がってたって
斜めっていたって
あるがままはあるがままだ
正しいだけがあるがままじゃない
綺麗なだけがあるがままじゃない
それを 知った上であるがままの自分はあるがままの自分でいられるんだ
あるがままの自分は
あるがままの自分でしかないから
あるがまま生きられない人はいない
誰ひとり存在しない
皆、自分があるがまま生きているということにただ気づけないだけだ
あるがままということはとても簡単すぎることだから
自然な気持ちは考えも及ばない領域だから
考えが及んだ時点でそれはあるがままではなくなるから
だから 人は何も考えずただ自分のままで生きている時があるがまま生きているという時なのさ
ぼくもきみも誰もかも。
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落ちる涙には意味がある
流れてそのまま地面に落ちてはじけても
ただ流したという記憶だけがなぜか残ってて
流した理由なんてすぐ忘れるんだろう
小さなものから順に
こうして落ち続ける涙を人ははじめて流したとき どう感じたのだろう
目から 水が絶え間なくあふれる
今じゃ当たり前なそんなことさえなんだかおそろしいことに思えたのかな
ぼくがはじめて涙を流したとき どう感じたのか
今にして思えば昔すぎて忘れた
今日もどこかで誰にも掬ってもらえずにただ 消えてゆくだけのいくつもの涙
流れる理由が悲しみであれ喜びであれ
一粒も掬われない涙
当然救われないその人
喜びだって 一人だけで味わっても悲しいだけだ
ふいによぎる切なさは一人だからだろう
隠せない 誤魔化せない
この世界にいる人の数だけ 涙はあるわけじゃないのさ
無限にあるんだよ
ずっとぼくの中で
そして君の中で
消えない 涙のあと
それを流した記憶
ただ 涙が流れる
そのさまをぼくがぼくを外側から眺めてる
今、ぼくの涙はどうでもいいから
君の涙を掬えるのなら 君を救えるなら
ぼくは君の瞳から零れ落ちる涙を地面に落ちる寸前に受け止めたい
そしてその涙が悲しい涙ならばその悲しみを少しでもわかってあげたい
そしてその涙が喜びの涙ならばその喜びを一緒に分かち合いたい
今日も意味もなく流れてははじけるだけの涙に意味を 与えよう
ぼくは、ただ流れる君の涙を両手で掬う
ぼくが掬わなかったら君の涙はただの涙で終わってたんだ
掬い上げたからこそきっとそれなりの意味を持った
ほら 一人で涙を抱えるよりずっと
二人ならば同じ悲しみでも 喜びでも
何倍も何十倍も心強いでしょ?
鏡にうつったぼくの涙も掬われ救われたよ
そして君が傍にいてくれるだけでぼくにはこの上ない救いなのさ。
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予想にもない突然の雨にこれはヤバいって
とっさに開いた穴だらけの傘
悲しみからの防衛策もむなしく
だだ漏れの 雨の乱れ撃ち ぼくは 忽ちずぶ濡れ
雷の手厚い洗礼も受け
悲しくて 涙だらだら 鼻水どろどろ
遠い昔の 忘れたはずの悲しみも
ふいによみがえりそうな
帰り路の 悪夢再来
悪魔がどこかで含み笑い 聞こえてきそうなほど 今 絶望的なのさ
七色の パラソルは
ぼくにはやっぱり似合わない
フリルのついた おしゃれな傘も ぼくには似合わない
ぼくに似合うのは悲しみにしてやられてるそんな情けない姿
雨もしたたるいい男
徒然なるままに過ぎ行く日々の波に揺られ
皆さん ご存じ
悲しみという敵襲に遭い ぼくはズタボロロ
透明な 傘から透かして
見える 七色の虹
雨上がりの哀愁
もちろんそんな今日もまたとない1日だから
さあ パラソルを開くように パッと勢いつけて 大事な運命の尻尾 離さないようにねぎゅっと掴んだら
始まりのスイッチポチッと押して
走り出す 奇跡に
今 出くわそう
騒ぎ出す 街中に
咲き誇る笑顔
今 パラソルを
ためらわず 迷わず
開くのだ 開くのだ
ぼくはぼくの運命を
今 見届けるように
傘を開けば今、始まる 新しいストーリーの記念すべき スタートに立ち会おう
何色とも言い難い幸せのパラソル開くよ
つかみどころのないところがどじょうみたいでおもしろい
その辺が多分 追いかけたくなるところだ
でもぼくはあきらめないよ
空に叫び雨天に響かせる
素晴らしい明日へ宣戦布告さ
いつもそれは突然に
しかもにわか雨のように
小賢しいタイミングで謀ったように いら立ちをはこんでくる
帰り際 サヨナラのドアを開けたその瞬間見計らったように
ほら 降り出す雨の如く
幸せを遠ざける
未来の彼方まで
そしてそのおこぼれだけが遺る。
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どんなに 悲しい日でもね
どんなに 切ない日でもね
それぞれの1日にその日にしかない輝きがあるんだよ
そうさ、またとない1日を
またとないこのぼくが
またとない足跡を
またとないこの場所に
刻み込む この時間は
またとないチャンスだ
だから 見逃しちゃだめなのさ
一瞬 一瞬を
またとない1日を
その中にかくれてる
いくつものときめきを
いくつものきらめきを
一分一秒を
大切にしよう
一秒だって戻っては来ないんだ
全てはただいつも
目先の今しか無い
過ぎ去った時間は
正直 思い出以外
意味は殆ど無い
またとない1日を
またとない歩幅で
またとないやり方で
またとない人たちとまたとない時間を
またとない涙や
またとない笑顔で
またとない気持ちや
またとない思いで
繋ごう 繋ごう
またとない夢を見て
またとない朝が来て
またとない夜が来る
そんな またとない一生をまたとない命で償ってゆく
長い長い物語の一部だよ 数秒でも
またとない 人生の1ページだ
さあ 今日も 生きたぞ
それだけで 今日は素晴らしいから
またとない 1日の中でまたとない ことができたなら
またとない人生もまたとなく消えてもまたとなくまたまたとない1日がまた来る
またとなく
またとない
そんな 場所に
今日という
明日という
昨日と似てる顔の
世界が広がる
長い夢から目覚めたぼくを首を長くして待ってる
またとない1日をまたまたとないぼくに見せるため
ぼくは死なないよ
ずっと生きてゆくよ
またとない人生が
またとなく終わるまで
あてどなくぼくは
あてどない道を行く
目の前にはまたとない1日と七色の朝と鈍色の夜
はるか後方にもまたとない1日と七色の朝に鈍色の夜
ずっと繋げてきたんだ
またとない1日からまたとない1日へ
ぼくは繰り返して
そして今日もまたまたとない1日にいる。
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心に届く詩ってどんな詩だろう
人の心を安らかにする詩かな
それとも愛にあふれた詩なのかな
これも違う
あれも違う
ひとつずつ
省いていったら
残ったもの
それは
自分が書きたい詩
だからぼくは世間のサイズに合う詩は書かないし書きたくないんだよ
自然じゃない詩なんて不自然なだけだから
だからぼくは好きなうたうたうのさ
だけれどけっしてわがままじゃないうたをうたいたいのさ
プライド汚さないように清いうたをうたうたい
誰かの心に届けようなんて卑しさはなくてただうたいたいからうたう
そんなのがぼくの心構えかな
まだ未完成な理由だけど
これだけはわかる
ぼくはうたいたいからうたってるんだ
そしてあの日
うたいたくてうたったんだ
だから今日も同じ気持ちで
始まりのあの朝のように
変わらない気持ちで遮るもののない大空に羽を広げたうたうたう
時に笑って
時に泣いて
言葉を連ねて
次々に
絶え間なく
心に咲くイメージを
詩にしてゆくよ
それはやがて
この道のどこかで
躓いたとき
立ち止まるとき
ぼくを照らしてくれる
そう思うんだ
忘れてること思い出させてくれる
そう思うんだ
だから だから ぼくはうたうたう
好きな うたをうたう
そのためにうたったのさ あの日 何も知らないまま
生まれたうた
真っ白な雲のような
あのはじまりのうた
今、なんとなく思い出して また 書きたい あんなうたを
笑うことも無理矢理じゃなくて素直にできたあのころのような無垢な気持ちでうたいたい。
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たまたまでぼくはここに生まれ
たまたまでぼくは今生きていられる
たまたまで明日もきっと生き延びてる
こんなささいな出来事がいくつもの偶然を運命のように見せる
ふいに気づけば
ため息を曇らすぼくがいて
回る地球の片隅で今日もなんとか生きれた
本当は外になんか出ないでずっと押し入れのような小さな部屋にこもっていたい
だけれどそれじゃ
だめなこともわかってるから
ぼくは逆らおうと思えば逆らえる常識や 正しさにヘコヘコ頭をさげる
まっすぐな線を引くように いつのまにか気づけば とても慎重になっているお利口なぼくに気づくんだ
たまたま 丑三つ時
たまたま 4時44分
大げさにいえばそんな確率で ぼくはここにいていつか 同じ確率のもとに死んでゆく
生まれたことが運命なら消えてゆくこともまた運命だろう
消えてゆくのも生まれなければ起こり得ぬ奇跡だから
ぼくはそんな奇跡に感謝をしなければいけない
だってほんの百年足らずだとしても
この時間は奇跡の時間だから
ぼくは精一杯笑い精一杯泣くんだよ
たまたまでずっと生きていくとしても
ぼくは明日、明後日、明明後日とたまたまの確率で さり気なく奇跡を何度も起こす人間なんだ
今、当たり前にここにいるぼくはここにいるだけでもすごいことなんだ
最近 気づいてきたよ
たまたまの名のもとに今日もぼくは運命と偶然のあいだで揺れる一輪の花のように生きるんだ
瞳を開けて見つめるべき答を今 一挙に集めたら
咲いた意味も
そのわけも
なんとなくわかってくる
そんな気がするのさ
たまたま 誕生したまたま 消え去ってゆく
はじまりもおしまいも
すべては偶然が引き起こす奇跡
ほら 日常のごく些細な出来事さえ集まれば光り輝く 宝石にも相違ない
たまたまの人の群れ
答を割り出すために
弾くキーボード
割り出せない答は今日も藪の中。
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一番星を見つけても
それを語り合う人もいない ぼくには
ピエロのように意味もなくおどけて
無機質な笑いを振りまく 日々がお似合い
今日もまた さえない1日だったな
ため息を吐きながら
窓ガラスに 指で
何度も 書いた
暗い言葉
夜をただぼくは見つめてる
見つめたまま 動かない 視点
ずっと ただ ずっと
このまま 流れてゆく
時間は 彼方へ
はるか 彼方へ
地球には余計なぼくを乗せたまま
今日も世界は回る
勝手な思い込みが次々に浮かんでくる
切なさであふれた
夜に街明かり揺れて
砂浜に書いた 文字のように 時の波が記憶をさらい
嬉しいこと
楽しいこと
少しずつぼくの中で無残に溶かしてゆく
あとには崩れたお城が残ってるだけ
形を成さないただの記憶の残骸があるだけ
思い出せてもくだらない出来事だけ
このまま 消えてしまいたい
そんな気持ち
なきにしもあらず
このまま 眠り続けたい
そんな思い
なきにしもあらず
一番星が告げる明日の天気
ほら それさえ 意味はないね
ひとりぼっちなら
さあ あてどもない旅はぼくをどこまで孤独にさせていくんだろう
それだけが気がかりで
ただただ気がかりで。