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どるとるの部屋


[1140] ワンダフルコミュニケーション
詩人:どるとる [投票][編集]


奥歯で本音を噛み潰して細かく砕いたらお世辞になった
適当な会話のあいだに生まれる空白を埋めるように僕は有らん限りのお世辞を君に投げる
唇の端に浮かんだ
嘘っぽい 笑いジワが君を少し不満げにさせる

思いつかない話題がつくりだすのは黙ったままの二人のにらみ合い
どちらから切り出すこともなくしまいには俯いて
せっかくの熱いコーヒーも冷めてしまって
二人の愛も冷めてしまいそうになる

まるで夢を見ているみたいな不思議な浮つき感が机ではさんだ君を遠ざけてゆく
遠くから見た君は
泣いているふうに見えたんだ

それを隠すように
君はマヌケな顔のゴムマスク被って
僕はいたたまれず
目をそらした

二人の会話はつづく
ぎこちないまま
たまに 手を握ったりする
嘘と本音と
お世辞とジョークで
真面目な話
ふざけた話

その全てがワンダフルコミュニケーション
話せば話すほど広がる 素性の知らない者どおしが 通い合ってゆく
不思議な言葉のゲーム

二人は箱庭みたいな小さな世界で
バラ色の時間をただようように 過ごす。

2010/03/06 (Sat)

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