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どるとるの部屋


[1278] 灯りは消えた
詩人:どるとる [投票][編集]


自分を信じられなくなったなら
誰かから信じてもらえなくなるより悲しいことだ
ここにいる意味が消えてしまう
ふいに吹きつける風に消えてしまう
マッチのようにそれはもう使い物にもならない存在だ

生きてる意味さえ
ここにいる理由さえ
なくなったらそれはもう悲しいもんだ

僕はすり終わった
マッチみたいにさ
ゴミ箱行きだ
黒く焦げたマッチ棒はもう使い物にはならない
ただ時を持て余すだけ

誰かと自分を比べる天秤をイメージとして目の前に浮かべてみても仕方ないのに
どんどん自分が透明になってゆきそう

渦巻く不安と心をふるわす言葉にならぬ切なさ
僕をかろうじて生かすものはなんだろう
それを考えたときは
もう目的の駅を降り過ごしてしまっていた

空には頼りない
小さな星と
いるのか
あるのか
ないのか
わからない
たったひとつの希望が悲しく見えるだけ

そして今街中の灯りは消えた
うつむき途方に暮れる僕を残したまま。

2010/04/04 (Sun)

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