詩人:どるとる | [投票][編集] |
自分を信じられなくなったなら
誰かから信じてもらえなくなるより悲しいことだ
ここにいる意味が消えてしまう
ふいに吹きつける風に消えてしまう
マッチのようにそれはもう使い物にもならない存在だ
生きてる意味さえ
ここにいる理由さえ
なくなったらそれはもう悲しいもんだ
僕はすり終わった
マッチみたいにさ
ゴミ箱行きだ
黒く焦げたマッチ棒はもう使い物にはならない
ただ時を持て余すだけ
誰かと自分を比べる天秤をイメージとして目の前に浮かべてみても仕方ないのに
どんどん自分が透明になってゆきそう
渦巻く不安と心をふるわす言葉にならぬ切なさ
僕をかろうじて生かすものはなんだろう
それを考えたときは
もう目的の駅を降り過ごしてしまっていた
空には頼りない
小さな星と
いるのか
あるのか
ないのか
わからない
たったひとつの希望が悲しく見えるだけ
そして今街中の灯りは消えた
うつむき途方に暮れる僕を残したまま。