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どるとるの部屋


[1297] 桜前線
詩人:どるとる [投票][編集]


大人になってゆく
人たちの群の中に
僕は叫ぶんだ
僕も大人になりたい
だけれど子供の心も捨てたくはない
中途半端がいいのさ

ただ朝と夜を繰り返すだけで人は大人になる
さなぎから蝶へと変わるように脱皮する
ほら僕も

何もかも新しいことばかり
見るもの全てが物珍しいものばかり
やがて訪れた一年ぶりの春にまたぼくは口を閉ざしたまま
桜を眺めている

いつでもスタートラインは目の前にある
ぼくが生まれたあの日は いくつものスタートラインがある中の単なる ひとつに過ぎないのさ

桜の花びら 風に舞う日にぼくは生まれた

桜前線 押し寄せる
関東地方に幸せが来る
悲しみの数だけ笑いましょう
失ったぶんの笑顔取り返す喜びがきっとあるから

信じることから始めましょう
つまらない言い訳や御託はしまって
ただこの小さな 町の中でぼくは枯れるのを待つだけじゃ飽きてしまったんだ

だから

流れる涙 ぬぐい去って ぬぐい去って
危うくても 可能性ゼロでも ぼくは突き進むよ

桜前線に乗って 春がほら 風を吹かせる
芽吹く 新しい 予感
ドキドキが 止まらない

2010/04/11 (Sun)

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