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どるとるの部屋


[1321] まほろば
詩人:どるとる [投票][編集]


変わらない風景
普遍的な街並み
ただ流れるままに僕らは各々生きる
様々な営みの形
君が選んだ道
やがてつかんだ明日

努力して頑張ってつかんだ明日と自動的に手に入る明日とではずいぶんと差がある

ほら、君の今が答だ

「また明日」と別れてく
手が離れた瞬間に
声も届かないくらい
遠くへ 遠くへ消えた
ずっと向こうで揺れるかげろうは幻なのかな それとも本当の明日なのかな

君が手を振る その普遍的な光景が僕に明日の真偽をおしえるなら
明日は嘘か真か
そんなことすらどうでもよくなるから

この世界は変わらない
また明日と言うたび君が手を振りつづける世界
明日も変わらない
掟はずっと守られる
悲しいほど普遍的な光景に
なぜか涙がこぼれる

遠くへ 遠くへ
時ははこばれ
僕らもまた
同じだけ 歳を重ね
やがて 土へと還る

それはまるでまほろばのよう でもリアルすぎる幻だから
僕らは涙を流さずにはいられず
僕らは喜びを抑えられず
ずっといつまでも感情に素直に生き
悲しみに泣き
喜びに笑い
朝も夜も何時でも
本能のままに生き
掟からはみ出さない
絶対的な何かで
縛られたまま
鳥かごの中でのみゆるされる名ばかりの自由に今日もすがるだけさ

まほろばのような
リアルすぎる
幻に 魅せられて

全てはこの世界から何もかもがまるごと幻なのに
ほら、その全てが確かな幻

夢を見ているような
起きてるような
その中間地点で立ち止まる日々

ほらそれもやがて時間が来れば消えてなくなる

幻の証に

でも僕は嘘じゃなく
ここにいるし
消えても
ここにいたんだ
幻じゃないんだ

脈打つ鼓動は
聴こえぬ余韻を残すから きっと。

2010/04/19 (Mon)

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