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どるとるの部屋


[1323] 心のカーテン
詩人:どるとる [投票][編集]


明日へつづく扉の前
ずっと立ち止まる僕は
ノブに手を掛けてはいるもののさっきからずっと開けられないでいるんだ
夜明けが来たからとか朝になったからとかじゃなく明日は心におとずれなければ日付は一向に変わらないんだ

心の中におとずれる夜明けが来なければずっと僕はいつまでも置いてけぼりの周回遅れ
どんなに走ってもみんなには追いつけず落ち合えないくらいはるかな昨日に立ち尽くしたままさ

追い越されたり
追い抜いてみたり
時間に操られたり
血相変えて競い合ったり
そんなの楽しくない
遅れても 追い抜かれても ゆっくり歩いたほうが楽しい

ああ、ささやかでなんの変哲もないこの夜にたどり着いたなら

僕はなんのためらいもなく目を伏せるだろう
誰かが夜通し 走りつづける 時さえも
無理はしないで いつでも無難に生きて
自分の限界を知るより自分の程度を知って
いつか大人になったら平和でそれなりの未来を抱きしめたい

金に埋もれた生活も
それに頼った生活も
僕は何ひとつ要らないからどうか
安らかな日々をこのまま 歩きさせて…

頃合いを見計らって
ノブを開ける僕はやっとお目覚めとばかりに心のカーテンを左右に開け放す

さしこむ光は希望を部屋中に降らす
そして僕はその時
高らかに笑うのさ。

2010/04/19 (Mon)

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