詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
ポケットに手を入れ
うつむきながら
歩く 帰り道はとても切ない
手のひらの上ですんでしまう生活
遠くへは行かないし行く必要もない
ポケットの中に広がる闇に似た暗い夜
やがて月明かりが僕の目にも届くだろう
さあ
小さな小さな
ポケットの中に広がる宇宙に吸い込まれて無重力と無酸素の空間をただよう
そんな想像で胸を満たして
僕は今日もポケットに手を入れ 切なさ抱いて 歩く帰り道
今日はやがて過去になり
明日の今日が現実になる
全ては繰り返すこと
誰かのくだらない戯言のようなものだ
ずっとずっと
その闇の中で
居もしない誰かと
見つめ合う
そんな夢に侵されながらまた僕は小さな小さな宇宙に縋り
想像している
あの流れ星は
今流れていない
遠い昔の景色
でもまるで
きれいな幻
僕のこの人生も
同じなのかな
ふと浮かんだ想像はほろ苦くてまともに噛み潰したら 吐いてしまいそう。