詩人:どるとる | [投票][編集] |
真夜中より少し前のこの街は昼間よりなぜかおだやかな雰囲気
滅入る夜の切なさや妖しげな暗ささえもビー玉を通して見るように縦に横にのびてゆがんでほらどこかおかしな気さえするよ
悲しいこと
うれしいこと
たくさんあるけど
僕は負けずに
転んでも
立ち上がって
転んだ拍子に
つくったすり傷さえ
なめて 平気な顔で進むよつよくつよく
街の灯をつれて
夜を渡り歩く
手を振り 声をあげ
さあ道をあけろ
この世界でひとりしかいない僕のお通りだ
悲しみに打ち勝つことが当たり前というやつは愚かだぜ
悲しみに立ち向かうことがどれだけ勇気がいることなのかを知っていれば言えないから
ああ 人はひとりきりで生まれ
いつか 死ぬときもひとりきりで死ぬんだ
そして生きていくのも自力で歩くのだ
それを当たり前だと笑うやつは消え失せろ
君の涙拾い集め
夜を練り歩く
誰かが流した涙のあとをたどり行列が街を歩く
そしてやがてたどり着く 君の家に
悲しいこと
うれしいこと
たくさんあるけど
僕は負けずに
転んでも
立ち上がって
転んだ拍子に
つくったすり傷さえ
なめて 平気な顔で進むよつよくつよく
街の灯をつれて
夜を渡り歩く
手を振り 声をあげ
さあ道をあけろ
この世界でひとりしかいない僕のお通りだ
悲しみに打ち勝つことが当たり前というやつは愚かだぜ
悲しみに立ち向かうことがどれだけ勇気がいることなのかを知っていれば言えないから
誰かが流した涙
それは君が流した涙
知ってたよと抱きしめたそのぬくもりは太陽さえも焦がすような限りない愛に満ちていた
そして今日も街の灯をつれて 行く宛のない旅に出るのさ
朝焼けが夜を連れ去るまで 連れ去るまで。