ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 夜の窓から

どるとるの部屋


[1368] 夜の窓から
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


腰をめいっぱい低くして
誰かに媚びへつらう
愛想笑いを必要以上にばらまいて

他人の評価や見る目ばかり気にして
自分捨ててる誰かのこと 責めるわけじゃないけど
なんだか傍目から見たら情けないぞ
僕の目には輝いては見えないぞ

この世はえてして弱肉強食の世界
食われる者はいつも
食う者より弱いもの
だけれど そういう人ほど心優しいもの
だけれど悲しいほど
そういう人ほど
人には逆らえないもの
牙を剥くことをおそれるもの

さんざん走り回ってたどり着いた真夜中に僕は思う
やっぱりひとりが大好き
この 部屋の中
好きなものにだけ
囲まれていられる幸せと悲しいこと忘れたように笑える不思議抱いたまま

今 夜の窓から
眺めている景色はばら色に輝く

夜の窓は鏡になって
肩を落とした僕を映し出すよ
そして 影を揺らすよ

答は 川に投げた
小さな石ころみたいに
夢の中に沈んだ

もう 考えるのはやめだ

やっぱり最後にとるのは争いのない
安全な立ち位置
僕は弱虫の愚か者
知ってるからこそ
また悲しい。

2010/05/06 (Thu)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -