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どるとるの部屋


[1373] 嘘つきヒーロー
詩人:どるとる [投票][編集]


あなたの目にうつるだけの僕などなんの意味もない
僕があなたを笑わせられていればそれは意味のある僕だけど
ただ瞳にうつるだけの僕などいる意味はない

そんな僕を愛してくれる僕の目にうつる君はいつでもせわしなく僕を気遣ってくれる たまにそれをうっとうしく思うのは自分でも愚かだと思うよ

夜の窓から 見える景色が遠く 揺れ 君が僕の手を握る
そんな毎日に 抱きしめられている幸せ
なんの不思議もなく
ここにあるよ

あなたの目にうつる
僕が笑うから
あなたが笑ってくれる
僕の目にうつるあなたが泣くから
僕も悲しくなって泣いてしまう
ふたりの心がまるでくっついてるかのように重なってるから
あなたの痛み あなたの悲しみ あなたの切なさ やりきれなさ
そのすべてがまっすぐに僕にも伝わる
だから 僕もむやみに君に同じ気持ちを抱かせまいと無理して
悲しいのに笑ってみせたのに
君はなぜか泣いた
気持ちがつながってるから嘘ついてみても無意味なんだね

だけれどあなたの目にうつる僕はいつでも笑ってる僕にしたくて
あなたにだけは悲しみを抱かせたくなくて
あなたの目にうつる僕はいつでも嘘つきなんだ
悲しいのに笑ってるから

巧みにだまくらかそうとしても君にはまるで通用しないのさ
あなたは僕をこう呼ぶ 嘘つきヒーロー
とても優しいけれど
その優しさが他人を助けるこてで自分を犠牲にして自分を傷つけてる
かっこいいように見えてとても悲しい
嘘つきのヒーロー

駆けつけた僕の顔にはいつでもとって張りつけたような笑顔が浮かぶ
拍車をかけるような雨で濡れているその顔には偽れない涙のあとが残ってる
何度でも下手な嘘ついてはバレてなんてこと繰り返す

そんな僕と君の日々
今日も下手な嘘をつき 君の前ではヒーローでいたくて
偽りの笑顔 浮かべ
目障りな涙隠すように 生きる

涙は人知れず。

2010/05/08 (Sat)

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