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どるとるの部屋


[1400] 僕等の暮らし
詩人:どるとる [投票][編集]


特別なものなんて探しても何もなくて
ありふれた出来事だけが見事なまでにずらりと並んだ日々
僕らの暮らしはいたってふつうな毎日
雨の日 晴れの日
繰り返すだけの見方によっちゃつまらない日々

ただ僕らは悲しくって さびしくって
もどかしくって いたたまれなくて
しかたなくて あきらめて あきられて
そして今ここにいる
いろんなことがいろんなふうにあわただしくて猫の手もかりたくなるような日々

でもね 一瞬の日のかげりが太陽の光を遮ったそのとき
涙は人知れずこぼれるんだ
君も同じだろう?

きれいな愛想笑いが咲き誇る町の中
芸術的な媚びの売りさばき方 それどこで習ったの?おしえて

僕等の暮らしは順風満帆に見えて案外大変で いまだ死にたくなるような荒波には 出会っていない
夢に描いた未来は無謀と考え 進路を変え船は進む 妥当なる地へ

まばたきひとつで
広がる闇に怖じ気づく日々

それが僕等の暮らし

特別なものなんてほらないでしょう
でも、見方によっちゃ 幸せにも見えるでしょ

ありふれた日々の中に見え隠れする幸せにたまにめぐまれる

そんな僕等の暮らし

ブラウン管にうつる天気図には荒れ模様のきざし

それもまた僕等の暮らし

舵をとる心ひとつだ。

2010/05/19 (Wed)

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