詩人:どるとる | [投票][編集] |
夢か幻のように
今日も日が暮れてゆく
僕はどうでもいいようなことにいつまでもムキになって
ひとりがいいと誰かの慰める声に耳をふさいだ
「さよなら」という言葉が悲しいほど似合ってしまう 空の色
過ぎ去ってしまうこの時間はもう二度と帰らない
だけれど 帰るべき場所は形こそ変わるものの失われずに いつまでもここにある
チャイムが鳴り出したとき 僕はなぜだか恥ずかしいくらい
涙あふれてしまったよ
たとえさよならでも
明日があるんだから
さよならなんて言わないで 黙ったまま手を振ろう
涙でにじむ景色を眺めながら 平熱を保てない熱い心を 抱きしめよう
そして気づけば
また夢か幻のように
時間なんて 過ぎ去るのも早く 全て終わる
振り返るその時にはもう 悲しい夢のあと
あしあとさえ残らない
でも記憶にはとどめられる
それが僕がここにいた証になる云わばあしあと
今日もたくさん残したはずだろう
それがたとえ悲しい記憶でも変わらないはずなのだろう。