詩人:どるとる | [投票][編集] |
君の右手は僕のさびしさを包む大きな手
君の左手は僕のはかなさを包む大きな手
両手で抱きしめるときは心に降り止まない涙の雨をいっしょに降り止むまで見つめるときに役立つぬくもりを伝える偉大な手
僕のこの右手は
僕のこの左手は
君の何を包み
君の何を癒やす
ためにあるのかな
君だけが知ることさ
心の温度にふれたとき
人は涙を押し殺せない
たまらず溢れ出た涙は
心の温度を教える様に
確かに温度を伝えるよ
そしてこの世界の中で誰もに
いつか訪れる終わりさえも 人は人と互いの温度を伝えあうことで 落ち着きを取り戻すんだ
今僕を包み込んでいるのはこの世界でいちばん大切なぬくもり
その言葉に何ひとつ嘘はない 絶対的な真実だ
ほらね 僕は君の瞳を見つめるだけでわかるんだ
見えないはずの愛のあり方も ふれられないはずの奇跡にさえカンタンに手が届くような自信があふれる
ああ花びらが散るように
母親のような全ての世界から暗い宇宙へ放り出されるように
いつか 訪れる
その日に僕は背中など見せないよ
君のぬくもりがあるならば 僕はやがて散りゆくさだめにも笑って 立ち向かえる
心の温度が 今
少しだけ 熱を帯び
僕の心をきゅっと
締め付ける
君が少し
弱気を 見せたから
僕を 頼るように
僕の手を握ったから
大切なもの あるいは人
守るために 僕は
散らせてゆこう
日々 日めくりカレンダーのように
散ってゆく時間を
つよく抱きしめながら
空の下 土の上
君の横
この世界でいちばん破ってはいけない
約束を交わしたよ
口づけが添えられた
素敵な夜がドアを開けたよ
冷たすぎても熱すぎてもだめな取扱いの難解な心の温度を 少しずつ少しずつ 僕に 分け与えながら
君は僕の前で力強く微笑む。