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どるとるの部屋


[1598] 心の中の街
詩人:どるとる [投票][編集]


影は幻と踊り
光は夢と踊る

まぶたの裏に
浮かぶ世界が
もしも現実なら
目が覚めたあとの
世界は偽物なのか

光と影が混ざり合ったような不思議な昼下がり どこまでも流れる川が光の加減でときおりきらめく
幻影が魅せる美しい景色に溺れながら
沈みながら
僕は見えた景色そのままを写し取るようにキャンバスに描く

鉄柱は鉛色に連なり
灰色の雲は等間隔で空に並び
表情のない人が非道な行いを繰り返す

誰もが生きる屍
いつかは棺桶の中
弔いの鎮魂歌を綿の詰められた耳で聴くだろう

この街の日常は創られたものだから
ほんとうは誰もいない街
ほんとうはなにもない街
見えているすべては偽物にも似た偶像

実像なのは 純粋な心だけだから
この街の住民は人じゃなく心だけなのさ

時計台の時計が
ある一定の時刻を
通過すると鳴りだす
甘美なる 聖者の調べ。

2010/07/11 (Sun)

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