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どるとるの部屋


[1715] 初恋は散る
詩人:どるとる [投票][編集]


だるまさんが転んだみたいにさ
過ぎ去りし思い出をおもむろに振り返るその時
涙に濡れた恋を思い出すよ

よくあるケース
よくあるさよなら
それだけの物語
でもぼくには切実だった物語

恋しくって
恋しくって
汚れないこの胸は精一杯ときめいていた

おおざっぱにいうと
初恋は散ることになるのだが
それまでがとても
つらかったことは明白でいくつもの眠れない夜があったことも本当さ

しばらく立ち直れずにいた告白したあの日からぼくは抜け殻のように過ごした

風のように流れた日々
カレンダーは夢のように次から次へとめくられていった

恋しくって
恋しくって
純な思いはまっすぐにただ一途に君に向かってた

夕暮れ 空の下
小石 川に投げ
黄昏ていた
ありふれた風景が心を突き刺すよ

初恋の淡い色
そしてほろ苦い涙の味

ごめんなさいなんて
言われたら
何も言えなくなる
言葉をなくすよ
それでも恋なんかするんじゃなかったとは思わなかったのが今でも不思議なんだ
キュンと切ない恋だというのにどこか素敵な香りがするんだ

今 君はなにしてるのかな
ふいに気になる夜
窓の外に浮かぶ月

なんだかしんみり
洗い髪を夜風がくすぐる。

2010/08/10 (Tue)

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