詩人:どるとる | [投票][編集] |
涙が流れる
心が無口になる
ありがとうも
ごめんなさいも
すべて
涙でわからなくなる
言葉を忘れてしまったみたいに僕は抜け殻になる
涙を流すだけのおもちゃみたいに涙を流し続ける日々
それも辛いけど
ほんとは見えない心の涙が一番切ない
今日も夜空を見上げればきれいな月がひとつ
いつものように輝いている 笑ってるのか泣いてるのかさえわからないけれど
ただ月は輝いている
いつでもきれいに
そして羊をかぞえて
眠る準備に取りかかっても眠れやしない
今日の苛立ちや悲しみがじゃまをして
あいつの一言が妙に粘着いて
夢を見る安らぎの時間を妨げる
心の涙がひとつまたひとつとあふれてしまうような夜は
なまじっか寝ないほうがいいのかな
夜通し悲しい歌でも歌ってるのも悪くはないかな
ひたすらあいつを憎みまくって
ひたすら世の中をさげすんだら
よくも悪くも眠くなりいつのまにか夢にかえれるから
いつのまにか雨のように降っていた心の涙もやむから
切り傷みたいな真新しい心の傷も癒えるから
悲しいことがあった日の夜は眠らずにゆっくり傷を癒すのさ
そんな方法もいいよね
月はあいかわらず
輝いていた
僕の視界がだんだん 狭くなるその中でも輝いていた
月は眠らずに僕らを照らしている
そんなイメージが夢の中でも
そんな
涙の流れ星が落ちる月の夜だった
寝ているあいだにも時間は止まらず動き続けてる
そして夜も終わる
やがて朝が訪れる
太陽が顔を出し
街も騒ぎ出す
そんな夜
べつに特別じゃない
なんだけどなんかちょっといい夜
だから忘れられない
僕は忘れない
涙の流れ星が落ちる月の夜
悲しさとなんか不思議な気持ちがほどよく混ざって
キラキラきらめいていた夜。