詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつも いつも
不器用な僕で迷惑ばかりかけてごめんね
君を好きな気持ちは誰よりも大きいつもりで弱音ばかり吐いて強がってばかりでごめんね…誰にともなく僕は呟く
季節は知らぬ間に
僕の目の前をいくつも通り過ぎて片付いた部屋がただ広がってるだけ
僕はいつか消える人
季節からもはみ出して
みんないつか消える人
世界のどこを探しても見つからない
死んでしまったあとでは
言いそびれた言葉が僕の胸にはまだいくつも残ってる
そしてあのふたりで育ててるプランターの花もまだ咲いてないよ
いつだってのんびり生きすぎてる僕らだね
夏ももう少しできっと終わってしまうんだね
恋しくてうっとうしくて
どこか愛らしい季節は冬も秋も夏だって春だって同じだね
愛すべきあの人と
積み重ねてきた思い出と手のひらにもおさまってしまうほどの小さなプライドで
なんとなく今日も
どうにかこうにか
やりきって
沈む夕日に溶ける空
にじんだ青がだんだんとオレンジ色に変わってゆく
そして気づけば月が照らす夜ひとり窓辺で物思いに頬杖ついていろんなことを考えてる
ほらね街路樹は
まだ緑色に茂り
さすがに風もまだ冷たくはならない
一年中カレンダーの中
四つの同じ季節を行ったり来たりするだけでいつか訪れるさよならに構えて
記す日記がなんだかわびしさ募らせるけど
人様はいう
若いのだから…
そうはいっても
いつか来るお別れの時
死から近い遠いはもはや関係ないよ
僕はいつか消える人
季節からもはみ出して
みんないつか消える人
世界のどこを探しても見つからない
死んでしまったあとでは
沢山の涙
沢山の笑顔
少しずつ
少しずつ
無理矢理になる笑顔は大人になった者の悲しい証と自嘲する
日々
嗚呼、春夏秋冬よ
去りゆくその背中に
待ってよって声をかけられたなら僕は何を言うんだろう?