詩人:どるとる | [投票][編集] |
にこやかなるピエロが手を振る
もちろんそれは愛想笑い さもなければ嘲り
サーカスのような
日常に
サーカスのような
華やかさ
光と影
対になり
踊り狂う
愛想と愛想
嘘と本音
分別のつかぬ
脆弱な誰彼
ピエロは嘘つき
綱渡り上手は世渡り上手
空中ブランコ へたくそなフラメンコ
アンリマティスが描く目も鼻も口もない
人たちにそっくりな
仮面のような冷たい顔で僕を睨む人をひたすら憎む
さあサーカスは
はじまるよ
守りの盾も
伝家の宝刀も何もないまま
生傷がひらくのを
じっと待つように
耐え難い苦しみのその中で
僕は常に裏方
主役は遠い
悲しいサーカス
笑うべきピエロは
泣くしまつ
忌むべきサーカス
楽しむべき人生は
お粗末
そして言い訳は
ため息と混ざり
風に 消えるだけ。