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どるとるの部屋


[1799] ノーカウントフルスイング
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


ホームランは僕にはうてやしない
きっとあきらめるのだけは誰より早い

1日が今日も静かに終わってゆくんだね
目を閉じてしまえば次目を開けたらそこは明日の朝だね

夜の闇の向こうを
見つめて
一番星を見つけてから
寝るのが僕のいつもの習慣なんだ

結果は残せそうにないけど僕なりに頑張ったんだぜ
それだけで笑えるなら幸せじゃないかな
結果がすべてじゃない
大事なのは過程だよ
少なくとも僕には

たとえばノーカウントで終わった9対0の
試合のように
きっと僕の中には
悲しさがどうしようもなく残るけど 残るけど
それでも
誰かが思うより
僕は真剣だったのさ

僕だけが知ってる
決死のフルスイング
目には見えない
血がにじむ攻防

記憶にまで残る傷跡
今も癒えてないんだ

あの涙は僕にしかわからない結果が見えても 走りつづけた者の唯一残せる見えない証なんだ

笑いたいなら笑えばいい
笑わせておけばいい

さんざん走り回ってたどり着いた真夜中に振りかぶる
無音のパントマイムは右中間をぬけるフルスイング

ホームランより
勝ち取るのは難しい

これが僕の言い訳さ
負け犬の遠吠えにしか聞こえないのは
あまりにも僕が不器用すぎるからだけなんだよ。

2010/09/05 (Sun)

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