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どるとるの部屋


[1828] 窓際の彼女
詩人:どるとる [投票][編集]


きれいな長い黒髪
栗色の瞳と
適度に長いまつげ
僕より年上のレディ

いつも窓から眺めてる
視線奪われ見とれてしまう
胸が胸がむしょうに痛い

晴れた日も雨の日も
あなたはベランダで
本を読んでる
少し病弱なのかな
ベッドから流れる景色を見つめてる
時々目が合うと照れる

名前も知らないけど
いつからそこに住んでるのかわからないけど
いつの間にか
そこにいて
いつの間にか
越していった

主をなくした部屋あなたのいなくなった
空っぽの部屋には
殺風景の白い壁と窓があるだけ

言えなかった
お話もできなかった
名前も聞けなかった

窓際の彼女

君の越した数年後にはまた新しく越してきた家族があの素敵な窓のある部屋を物置にしたよ

だからここから見えるのは大きな棚の背中

君のあの笑顔が
今も鮮やかなまでに心の瞳にうつる

僕は泣きたくなった。

2010/09/17 (Fri)

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