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どるとるの部屋


[1891] あとにはただ木枯らしが吹いているだけ
詩人:どるとる [投票][編集]


君と過ごした季節が過ぎたら
僕はもう人を愛すことができなくなった
サヨナラという言葉がまるで
何かの呪いでもあるかのように胸の中にいつまでも
消えずに煙をたてているよ

君が乗ったバスが少しずつ小さくなってゆく
思い出も遠ざかる
悲しくないわけはないよね

でも涙は思ったより
流れなかったよ
かわりに何かひとつ自分の中で壊れる音を聴いた気がした

あとにはただ木枯らしが吹いていただけ

思い出せるのは木枯らしが吹いていた事

君の笑顔がこのごろイメージできなくなったのは何かの合図かな

忘れられない恋さ
でも忘れなければいけない恋でもある

だからサヨナラ
影のように
実態を持たない
悲しみよ

胸のいちばん奥で
燃え尽きておくれ

愛し合った記憶
痛みをともなう在りし日の輝き
光と影の中を生きる僕

黄昏の中へ逃げても
過去はぬぐい去れない

ああ 優しかった君はいずこ?

2010/10/07 (Thu)

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