詩人:どるとる | [投票][編集] |
花びらはその一枚一枚が思い出をもつ
違った光を放つ思い出をもつ
ただひとつさえ同じ思い出はない
花びらが散るように思い出が散っても
ひらひらひらひら
少しの風にも揺らめいてどこかに消える
そんな自由な思い出をもつ花びらを離さないようにぎゅっと掴む この手はあといくつの思い出を掴むのだろう この先
これからの日々の中で
思い出は足し算されても引き算される事はない
引き算したい思い出もあるけれどすべては隈無く思い出
だからひらひらどこかに消えてしまうまえにつかむのさ
今日の涙も
明日の悲しみも
すべての花びら
散らせはしない
咲かすんだ
咲かすんだ
この胸の中で
そして瞳の中で
録画したような
コピー品でなく
実物をつかむのさ
ぎゅっと
ぎゅっと
パッとつかんで
抵抗しなくなり
そして開いた
手のひらの中
思い出が雪のような確かな冷たさと温かさを交えた温度をもって存在してる
僕には見える
心の瞳だけで見える
ほら心を通せば
顕微鏡なんかじゃ見えないよ
ほら心の瞳を開け
ひらひら心の花園で舞い踊る花びらを見よ。