詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
雨の匂いが鼻を突いた
かすかな風の音
はずむような
跳ねるような
気持ちは瞬間的な輝きだったね
通り雨がこの街を去るのはまだ先になりそうだ
雨降りの街
灰色の道
分厚い壁
無表情の人だかり
この街には
優しさとか愛は
数えるほどしか
ないなんて
思っていたよ
絶望的な物語は君に出会えたことで
一変 素敵な物語になったよ
雨降りの街
やがて雨上がり
虹が架かってさ
笑顔咲く
ボロアパートの一室で僕らはトランプの神経衰弱
なかなかそろわないね 二人とも
君に出逢えて良かったなんて今更何?なんて想うようなことさえ君にとってはどうやらこの上ない言葉だったようで
嬉しそうに
笑ったよ
その時心の中にも
虹が架かったような気になったんだ
さあ 雨上がりにはさ
出かけよう
水色の自転車で
水たまりなんて
かるく飛び越えて
まだ行ったことのない道を通って素敵な景色に会いに行こう
君との思い出が増えてくたびに僕の中の本当の世界は広がってゆくよ
君と僕がいるこの世界こそが本当で君と出会う前の悲しい雨降りの世界は嘘ってことでよろしくね
神様
そして今日も
君と僕の日々は
順調に 平坦に
流れていく
意味深なストーリー
秘密の未来へ
二人が知る未来へ。