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どるとるの部屋


[2038] 桜の記憶
詩人:どるとる [投票][編集]


記憶のほころびを
いくら縫い合わせても
隠せやしない
君との思い出
そして君との別れ

今もあの時咲いていた桜の香りが香ってくるようだよ
たくさん笑ったね
たくさん泣いたね
今思い出せばほんとうにどれもこれも笑っちゃうような素敵な思い出さ

くだらないことで喧嘩して すれ違っても僕らはすぐにまた少しすれば笑いあえていた

だけれどさよならすると決めたのは
別にね 互いを嫌いになったからじゃない
それぞれ新しい世界へ足をのばしたかったからなんだ

不器用な言葉でも
精一杯の思いで
君に届けた
僕の愛

ヘタクソだって
一生懸命生きていた
僕の頑張りをいつも君はわかってくれてた
それが何より嬉しかった

それを恋と呼ぶなら少し違うかもしれない
咲きそうで咲かないつぼみのような僕らだったから
分かり合えていたのかな

それを恋と呼んだら
きっと僕は君のこと
諦められなくなる
だから笑って君に手を振ったよ

「さよなら
また会おうね
そしていつか会えたら
恋人になって結ばれよう」そんな約束は遠く

散りゆく花びらにかすかに刻まれた桜の記憶を抱きしめて僕は強く生きていくことを君に誓ったよ

これからは寒い冬だから白い雪がもうすぐすれば降ってくるかな
そしたら春になるまで少し寒い日がつづくね
でも
君との思い出抱きしめて あのぬくもり思い出せば
不思議と頑張れるね

君がくれたこの勇気で僕は僕の夢にまっすぐ向かってく
君もどこかで自分の夢に向かって歩いているから

そしていつかまた
どこかで会える日にはかならず伝えよう
この気持ち

そして咲かせよう
恋という名前の花
散らせぬように
かみしめる

冷たくなった秋風に
ふるえる日々よ
桜の枝々についたつぼみは春になるのをもう待っている

僕は君を愛してる
つぼみの中に閉じこめるよ

君に伝えられるその日まで
桜の記憶を。

2010/11/09 (Tue)

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