詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
静かに目を閉じて
夜の音色に耳をかたむければ
いつもは気づかない美しいメロディが聞こえるから
不思議なものだね
夜の片隅で 今日も誰かが背中を丸め泣いているって
わかっていても
救うことなんてできない
名前も知らない誰かに
会ったこともない誰かに
思いを募らせる
すべての人に今夜
幸福を願う
世界中の清い祈りがどうか天に届きますように
世界中の澄んだ祈りがどうか叶いますように
僕は願うよ
流れ星の行き先さえたずねないまま
消えていく1日に
そっと手を振る
カーテンを閉めるように何かに一区切りつけたら
夢のドアを開ける
さあ 僕の意識が途切れたら
そこは誰が起きてようがなにもない闇の中
夜の腹ごしらえだ
人口の光以外
すべて食べ尽くすよ
朝が来るまで
数回の寝返りと
寝言を繰り返すだけ
それだけなんだよ
ひんやりとした
寒い夜の街に
ささやかだけれど
優しい夜想曲を
あたたかい夜想曲を
僕は歌いかけるよ
誰かの叶わない夢のために
誰かの届かない願いのために
僕は夢の中で
休まず歌い上げるからどうか泣かないで。