詩人:どるとる | [投票][編集] |
こうして、目を閉じるとなぜか思い出すでしょう
遠い子供のころの記憶を
風の中に立ちつくしてただ目を閉じるだけで
よみがえる記憶
それはまるで古傷のように生々しいもので 決して忘れられない
階段の一段一段を
ゆっくり時間をかけて
のぼるように
僕らは生きる
つまずいたり
途中で転んだりするのはおかしなことじゃないよ
笑っちゃいけないよ
流した涙も浮かべた笑顔も大切な思い出だから忘れちゃいけないんだ
ほら今日もなんだかんだいったけど
夕日が沈めば
全部 昔話さ
ほら笑う準備はいいかい?
風呂上がりみたいに遊び疲れ火照ったからだをふるわせながら
子供だった僕が
まるで
子供のように
ドアを開ける
やがて夜になった街
休みなのをいいことにいつまでも寝ないで起きていたから
少し眠いけど
僕は幸せだよ
何かが幸せだよ
今確かに思うことは
ここにいる僕は生きているということ
それだけで
世界は明るく見える
これからいくらだって
傷ついても
これからいくらだって
立ち上がって行ける
悲しみの隣には
いつも喜びがある
そして
雨が降り止めば
いつも虹が出て
そして
長い夜が終われば
まぶしい朝がやって来る
そして僕は歩き出す
始発とともに動き出す体内時計のタイマーをそっと止めて
そして僕は歩き出す。