詩人:どるとる | [投票][編集] |
春夏秋冬
一周めぐってはまた同じとこに戻ってくるローテーション
春がはじまりの季節なら冬は終わりの季節かな
そんな順番さえどうでもよくなるほどに
時間が経つのは早いものです
ポケットに手を入れて寒さを少しでも和らげようとしても
心まではコートを着てもマフラー手袋着けてもあたたまらない
暑い夏も寒い冬も
あたたかい春も
過ぎ去った季節は
なごりを残していく
置きみやげのように
心に切なさを残していく
さよなら 手を振った季節の終わりも
悲しみだけは残り続けて僕の中では降り止まない雨が降り注ぎ
時折、過ぎ去った季節の色を僕に見せるのです
季節はなごりを残して
その思い出の深さを
伝える
誰の心にもある
小さな記憶をしまうポケットにたくさんの涙、笑顔を刻みつけて
降り止まない雨にまぶた閉じる
現実はブラウザに埋もれ
モザイクの砂嵐
思い出せるのは
楽しかったことより
悲しかったこと
だけれど
悲しみの影には
僕の素敵な笑顔が光っていたんだ
そして今日も
ポケットの中に
思い出がひとつ増えて
またひとつ忘れてく
そして僕は忘れたぶんだけ大人になれる
誰かを心から思える優しい大人に。