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どるとるの部屋


[2266] 幸福の窓辺
詩人:どるとる [投票][編集]


幸せはどんな形をしているの?
見たこともなければ
さわったこともない

幸せってどんな色をしているの?
だれに聞いてもみんな知らないと首振る

独り窓辺に佇み
しゃがんで壁に寄りかかり
くだらない小説の中に少しでも安らぎを得ようとして
この心の不思議
それを暴くような
ヒントを読みとろうとしたけど最後までなんのヒントも得られなかった

日曜日の夕焼け空はまるで一週間の中のどの夕焼け空よりずっと寂しい色だ

切なさが溢れ出す
涙という水が
心の汚れを洗い流す
何より今が好きだから僕はこのまま
平凡という名前の
ありふれた椅子に腰掛けて 夢を見る

幸福の窓辺には
いつも あたたかな
陽が差しこんで
悲しみに暮れる僕を
包んでくれる

鏡にうつった僕の姿がピエロに見えた夜は悲しくなるけど
笑うだけがピエロじゃない
時には泣くこともあるさ

今日という日を忘れないでいれば
いつの日か今日がどれだけ幸せだったか思うような日が来ても
強さを手にした僕には堪えないさ

わずかにドアの隙間からのぞく未知の未来が輝いている
そんな気がするから

僕は笑って歩いていけるんだ

幸福の窓辺に
座って
見る夢は
きっときっと
幸せの形
きっときっと
幸せの色

僕は今
それを見ている

夜がやがて街を
寂しさで覆うとも
僕は寂しくないよ

明日に希望を抱いてるから

さあ 目を閉じましょう 素敵な明日にたどり着いて目覚めるまで。

2010/12/26 (Sun)

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