詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
名前のないさびしさを胸ポケットに
隠し独り歩く帰り道
月がつくる
光の路をたどれば
今日も迷わずに
家に帰れる
あたたかい
夕飯と
優しい家族の笑顔
ただいまと言う
僕の声に
おかえりと言ってくれることの幸せ
ため息はつばといっしょにのみこんでしまえばいい
明日の悲しみより
今日の幸せを見つめよう
たとえば誰かが抱えてる悩みはいろいろあるかもしれない
そのひとつひとつが大切なんだよ
どんな悩みを抱えてても
どんな迷いに苦しんでても
きっと答えはあるから
ゆっくり見つけていけばいいよ
僕には何もできない
だからうたうんだ
誰かの切ない
帰り道を照らすように
誰かのやり場のない
気持ちのより所になるように
僕はうたうんだ
無音のメロディ
月の路の上に広がる空をきらめかせる星屑
君がうつむいてる顔をあげたとき
そこに見えるのは
輝く星であるよう
願うよ
明日は晴れる
こんなに星は輝いてるから
一言こぼすだけで死にたくなるような悲しい言葉は捨てて
何も言わずに ただ
ずっと この夜空を眺めよう
強く 強く 生きていこうね
僕は僕と誓ったんだ
そして今日も
月の路をたどれば
ぼんやり灯りが揺れる
僕の家にたどり着く
悲しくても
辛くても
家に帰ろう
『ただいま』という言葉を握りしめて
かわりに
『おかえり』という言葉を受け取って。