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どるとるの部屋


[2376] ピエロ
詩人:どるとる [投票][編集]


窓辺に椅子に腰掛けて 夕暮れのだいだい色に染まる 空を眺めてる

他人には小さなことかもしれないけど
僕には世界が終わってしまうくらい
重大なことなんだ
笑わないでおくれよ

僕は今、とても笑えるような気分じゃないんだ

通り過ぎる人は
ある人は僕を慰めて
ある人は僕を蔑んで
ある人は無視をする
でも、本当に僕の身になって考えてくれる人はひとりもいなかったんだよ

独りきりがさみしくないわけないじゃないか
ただ強がることしかできないだけなんだ

今日も涙を風に流して 朝から今までピエロのように 今にも泣きそうな顔で精一杯笑っていたよ

ピエロの笑顔がたそがれの色に染まる時
ピエロの化粧は落ちて 涙に濡れた本当の僕の素顔が露わになる

もう嘘はつけないね
そうだよ、僕は今まで嘘をついてたよ
悲しいのに笑っていたよ

でももう限界だね
僕はピエロじゃないから笑い続けられない

ほら、うつむいてる顔をあげてごらん
きれいな涙が
輝いているだろう

僕はあまりに
美しい夕暮れに
涙を流したよ

この空は何ひとつ
偽らない
この色には何ひとつ
嘘はない

だから僕も悲しいのに笑うのはやめて
プライドも面子も捨て去って素直に泣きます

それが本当の人のあるべき姿だよね。

2011/01/22 (Sat)

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