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どるとるの部屋


[2479] 風に吹かれて
詩人:どるとる [投票][編集]


あてどもなく日々を旅する旅人よ
これからどこへ行くのですか?
時代がいくら進もうと季節がいくら流れようと歳をどれだけとろうと
永遠に変わらないものを持っていたい

行く宛てなどなく
地図さえない旅だから
不安だらけの毎日
それが当たり前なのさ

暗澹たる思い
浮かんでは沈む太陽
こらえきれぬ涙
ふと立ち止まる
道の上
雲がちぎれてゆく

風に吹かれて
もの思いに黄昏て
帰り道はいつもながら淋しさであふれてる
言い訳ばかり繰り返しては 人のせいなんだと自分の過ちをごまかそうとしてる

そんな僕は僕自身だめだと思うけど
正しさだけを抱きしめていても
見えないものがあると思うから 半分だけ悪魔になるよ

風に吹かれて
柄にもなく黄昏て
自転車ころがして長い長い坂道をくだる
小さな僕の言い分はすぐに僕より大人たちの鋭い意見に押しつぶされてしまう

そんな僕をかわいそうだとか思ってくれるのは うれしいけど
そんなときは限りなく独りきりで泣いていたいのです

生まれたときから不器用で 人の言うことなんてまともに聞けない僕だけれど
愛するものが傍にある
大好きなものを持っている
それだけでなんとなく素晴らしい人生
そういえる

そして今日も日は暮れてカラスが鳴いている
バカにしたように鳴いている
何かを嘆くように鳴いている

僕は街の片隅
夜の端っこで
風に吹かれてる

水銀灯に照らされて
切なさに押しつぶされて
言葉の死骸を抱きしめて
持ちうるすべての策は失敗に終わって
ただただ僕は打ちひしがれてる

押しては引くような
時の波にさらわれていく1日を見送って
小さく手を振るよ

避けようもないさだめのような風に 吹かれて

青い夜を見つめてる。

2011/02/18 (Fri)

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