詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
テレビはどのチャンネル回しても
被災地を映してる
テロップがまた流れたよ
また誰かがどこかで亡くなったんだ
気が滅入るから
テレビを消したよ
こんな弱い僕には
何ができるか
考えてみたけど
何ひとつ思い浮かばなかった
崩れた建物
津波に流された家や車
いまだ救助を待ってる人たち
行方不明の人たち
その人たちを心配する人たち
全ての思い出も
何もかも
失った人たちがいる中で 僕ができることなど無事を祈ることしかできないけれど
きっと無駄じゃない
よね
テレビの中で水や食料を買ってる 人たちの笑顔を見たとき
ほっとしたよ
本当だよ
僕の街では この間そんな状況でも 無神経に犬の散歩していた人たちがいた
馬鹿だよ
明日でもできることを今日しなきゃいけない理由はない
僕には何ができますか?ギターを抱えて
歌を歌ってる
ふざけてるわけじゃないんだよ
あなたへ
届けたい気持ちで
爪弾く メロディ
でもどんな言葉もあなたたちの涙の前では 悲しく見える
でも僕は声をからして歌い続けるよ
あなたにも
届けたいよ
歌にのせて
伝わればいいな
救助を待ってるあなたへ
誰かを探してるあなたへ
誰かの安否を心配してるあなたへ
崩れた家を思いながら ただ泣き崩れるあなたへ
その人を抱きしめるあなたへ
必死に報道伝えるあなたへ
ヘリから カメラ回すあなたへ
そのヘリの中から実況するあなたへも
全ての人に届け
そして全ての命ある人たちへ いつものような明日が来ればいい
僕は歌いながら
あなたたちの無事を祈るよ
あなたへ
あなたへ
伝えたい
あなたへ
あなたへ
届けたい
あなたは
あなたは
笑ってる?
あなたは
あなたは
どこなの?
それぞれの思いが交錯する中で
僕はとある街の片隅であなたたちの無事をただ祈り続けるよ
この思いを歌に託して。