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どるとるの部屋


[2587] 1日の終わりに
詩人:どるとる [投票][編集]


真っ赤な太陽がアスファルトに熱を伝える

誰かがどこかでまた自ら命を絶つ
誰が悪いわけでもなく世界はバランスを崩し不安定になる

僕らが待っていた
明日はもう少し明るいイメージだった
期待はずれだ

昨日に忘れ物をしてきたけど 今さら取りには戻れないことくらいわかってるつもりなんだ

ただ漠然とした切なさが涙腺をゆるめるから 涙が止まらない夕暮れだ

君がうつむくと影までさびしそうに 同じ動作をするからなんだかおもしろい

熱されたアスファルトに涙がこぼれて
あっという間に
かき消されるように
乾いた

なんにもわからないよ
僕にはわからないよ
国境も県境も何もかも
踏切も 横断歩道も
目の前を横切る電車も 真っ赤な夕日も
泣いている誰かの涙も 家族のあたたかな夕飯も守るべきものはたくさんあるはずなのに嘘のように壊れてゆくのかな

眠りこけた夕暮れに
ギターは僕の声を拾いながら鳴るのさ

まるで弔うように
まるで抱きしめるように愛とも殺戮ともとれない不思議な言葉が散らばる

いつもと変わらない
1日の終わりに

僕はテレビから目をそらして睡魔に負けた。

2011/03/15 (Tue)

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