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どるとるの部屋


[2637] 平成の夜が明ける
詩人:どるとる [投票][編集]


悲しいときには悲しいと言え
うれしいときにはうれしいなりに笑え
素直な気持ちを隠したまま生きるのはまるで心に目隠ししてるみたいでなんだか生きづらい
自信を持って背筋を伸ばせないのはかっこ悪いね

人の事なんて他人ごとで
人と人とのつながりがないがしろにされ希薄になってきてるさめざめとした社会
子供たちは協調性もなくして 道ですれ違っても挨拶ひとつできないやつばかり
大人は大人で 道路を我が物顔で歩き 長年の頑固さを引きずって こだわったやり方を間違えのないものだと決めつけ他人にまで押し付けるしまつ

僕らは ただ あたりまえなことをあたりまえにできていればそれでいい
でも本当に一番大切なのは人の痛みに気づき 人の心を考えられることだろう?

何かが絶対おかしい世の中だ でもその何かは今に始まった事じゃないんだよ
「モンスターペアレント」も
「裏金問題」も
「食品の産地偽装」だって
考えてみれば全てがわがままな奴らの勝手の言い分や 金に汚い奴らの子供じみたいたずらだろう

平成という年号に生まれた僕らは生まれてひとりで歩けるようになるころ冷えた世界で孤独を抱えて
頼る人もいない人は
自殺に走って そんな人の死さえも笑うような奴らがひしめき合って
いつかそんな奴らがこの世界を支えるのかな?そう思うと不安になるんだよ

今日もほら それぞれの生活が始まる
タイムリミットは人それぞれだけど
僕が願うことは
ひとつだけだ
どうかどうか
この世界で
素直に笑いたいのに笑えない誰かを救ってあげてください
絶滅危惧種みたいに
小さな街の片隅で身を震わし泣いている誰かを抱きしめてあげてください

光と影の入り混じる平成の夜が静かに明ける
新しい朝が僕の部屋にも例外なくやって来る

ポケットの中には
諦めにも似た乾ききったらい麦と 希望を詰め込もう

全ての人が笑えますように祈って。

2011/03/25 (Fri)

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