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どるとるの部屋


[2652] ピエロも人間
詩人:どるとる [投票][編集]


道化師のようによくできた作り笑いで
嘘をついて生きてゆく僕の日々

まるで僕はお客さんに 芸を見せる
道化師のようじゃないか 社会に愛想笑いを振りまいたりお世辞をばらまいたり
嘘をつくのも
意外に疲れるんだ

詐欺師のようによくもまあ次々に出てくる出任せで世の中を上手に泳ぐすべを心得たから
少しのことではへこたれない強さを手に入れました

でも僕は道化師じゃないから たまに涙を流してしまうのさ
芸の良し悪しだけで人を判断するサーカスのような
世の中から
家へと帰り着いた時
思いが一気にあふれるんだ

この世界はまるで道化師ばかりじゃないか
みんなウソツキだよ
気持ち悪いくらいの笑顔の仮面で泣き顔を隠して
精一杯強がってる見苦しい奴らばかりじゃないか

かくいう僕も道化師だ
愛想笑いやお世辞はお手のもの
芸はあまり上手じゃないから
いい立場にはなれないし扱いは雑だけど
いつの日か本当の気持ちで生きられたらいいなあ

素直な気持ちは全て家の引き出しの中にしまって
出かける時は玄関出たその瞬間から 営業スマイル 仮面被るようにはりつけて
僕は出かけてく
一人出かけてく
ピエロな社会人
感情は蔑ろにされて
悲しいね

でも僕は道化師じゃないから たまに涙を流してしまうのさ
芸の良し悪しだけで人を判断するサーカスのような
世の中から
家へと帰り着いた時
思いが一気にあふれるんだ

どうせ僕は平社員
サーカスでいうところの雑用兼ピエロ

お客さんは僕が笑うたび 拍手をする
なにがそんなに楽しいのだろう?
こっちは本当は悲しいのになあ…
少しでも僕の気持ち感じ取ってくれたらいいのになあ…

ピエロなんか
やめたいけど
笑うことをやめたら
僕は生きられない
死ぬまで矛盾と疑問との闘いだ
それが人生だ
大人は口をそろえて言うのさ

ならば僕は聞き分けのない人間らしいピエロになりたい。

2011/03/27 (Sun)

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