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どるとるの部屋


[2739] 無音のロック
詩人:どるとる [投票][編集]


なんの準備もなく心構えさえなく
大海に放り出された
僕らの立場は最初からなかったんだ
ただ荒波にのまれないように目立たないよう低くかまえてもめ事はごめんとばかりに僕らたちは
プライドまでもを捨てて権力にこびへつらい
なすすべもないために愛想笑いアンドお世辞に伏す

荒れ狂う荒波にのまれようとのまれまいと
生きている
僕は生きている
不動なるその事実握りしめそれでも立ちはだかる権力と理不尽の壁
どうしたらいいですか?
教科書には書いてなかったよ
何時間も何時間もうけた先生の授業が教えてくれたことは社会じゃあまり役には立たない
要はどういかに相手に好かれるかが大事であってそこにはもとから逆らうという反骨精神は含まれておりません
なお社会での生き方については用法用量を守ってマニュアル通りに正しく生きて下さい
そんなの頭下げて頼まれたって願い下げだぜ!

僕らは何かに従うためだけに働いているわけじゃないはずだ
べつに無茶苦茶に誰かに逆らいたいわけじゃなくてただ僕ら一人一人の立場や思いもわかってもらいたいだけなんだ
僕から見た現代社会は冷めている
通り過ぎてゆく
数え切れないほどの人の群れの中
誰かが転んでも
誰も見向きもしないんだろう
僕も見覚えがあるだろう?加害者にだってなれるだろう?

吹きつける風は凍えるほどに冷たくて
気持ちまでも凍りついてしまいそうだ
油断したら マニュアル通りに動くロボットみたいな社会人になっちまいそうでこわいんだ

現代社会への反発が自分に返ってくる
叫べば叫ぶほど
のどはかれ
殴れば殴るほど
罪はかさばり
悩めば悩むほど
神経はすり減り
怒れば怒るほど
苛立ちが募り
今日も新聞の中
テレビの中
おもしろいように
その洗礼うけた
見本のような人たちが誰でもいいからってな理由で人の命を笑って奪ってみせるんだ

そんな中僕は口パクで刃向かう。

2011/04/21 (Thu)

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