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どるとるの部屋


[2744] 春雨とアンブレラ
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


悲しいことがあるからさ 僕らは嬉しいときには精一杯笑うんだ

大好きな歌を歌いながら 貴重な1日を過ごすのもいいね
たまには強がらずに泣いてさ
気持ちを晴らして
それでも気持ち晴れないときは それも人生なのかなってさ
とりあえず
雨の中 わざと濡れてさ 悲しい歌を歌おう

そっとあなたが差し出してくれた赤いアンブレラ 僕は今でも忘れてないよ
ずぶ濡れの僕のことを何も言わずに抱きしめてくれたあなたの優しさを素直に受け止められるから

春の桜の花びら 混じるあたたかい風に吹かれて
踏み出す一歩には迷いはないけど
悩みや不安なら腐るほどあるんだ
僕には後先のこと考えられるほど余裕はないから
今目の前のごちそうに目がくらんでしまうから いつも失敗するよ

転んでできたいくつもの傷跡を誰かに笑われようものなら
ためらいなく牙を剥いたよ

あなたが差し出してくれた赤いアンブレラ
僕の心の中に降る
雨をあたたかな光が照らして
優しいぬくもりに満ちた雨に変わった変わった

ほらね俯いていた花びらも青空見上げるように花開く

僕も俯いていないで青空に向かって歩き出すよ

太陽みたいに
笑って
笑って

午後には降り止んだ雨に僕は傘を閉じて
見えずにいた春の美しさの中 笑うんだ
あなたとふたりで。

2011/04/23 (Sat)

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