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どるとるの部屋


[2786] 見知らぬ世界
詩人:どるとる [投票][編集]


何もない世界なら
あるもので遊ぶさ
でも、退屈しそうだ
愛し合う人が傍にいても退屈は紛れない

ここは誰も見知らぬ世界 真っ白な壁が天高くそびえ立ってる世界
何かを反対する人たちと
何かを賛成する人たちが常に闘う世界

毎日、死体が出るから 墓石屋と葬儀屋は休む暇もなく忙しい

秩序なんて無いから
法律もないようなもの 今日も誰かが必ずどこかで命を落としている 事情から目をそらしてばかりいて
えらそうな顔している大人たちが 肥え太る世界

社会に魂捧げた僕の懐はあたたかいよ
その恩恵をうけている人たちの笑顔はどこか病的で気持ち悪い

ここは見知らぬ世界だよ 秩序なんてとっくに死んだから 毎日誰かが誰かを殺めては 山積みになる死体

空を飛ぶ鳥たちは
ゴミを漁る 骨と皮ばかりのカラスが僕に悲しそうな眼差し向けても何も言えることは無いよ

ここは見知らぬ世界
誰も住みたがらないから いつしか ゴーストタウンになってしまったよ

家族の笑い声も
恋人たちの愛も
忘れ去られた
見知らぬ世界

吟遊詩人たちが
ホームレスのように
群がり 似通ったうた詠ってるだけ

そんな見知らぬ世界
ここが見知らぬ世界
ご存知見知らぬ世界

水はよどみ 緑は枯れて
空気は汚れ 人の心は病んで

見知らぬ世界にようこそ望むなら扉を開ければいい

あなたもこの世界の色に染まってしまえ

見知らぬ世界が僕を導くように誘うよ

手招きする
見知らぬ世界

歯車は錆びて 耳障りな音立てて 僕らは愛だ愛だと騒ぎ テレビの中でまだ死にぞこないの政治家たちが腐敗した議事堂で論争繰り返す

死語で綴ろう 未来への希望 きっと大丈夫 そんな事言ったのは誰だ 今さらわからない

見知らぬ世界で
あるもので遊ぼう
詩人たちと詠おう
見知らぬ人と
見知らぬルールの中で
見知らぬ場所で
見知らぬ夢を見よう

くたばるまで。

2011/05/01 (Sun)

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