詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜空を流れる流れ星に願いをかけて
もしもたやすく叶ってしまうなら努力など必要なくなるね
ロマンをアタマから取り去り常識的な考えだけですべてを語るなら流れ星になど願ってる時間さえ無駄だといえよう
だけれど流れ星に願う僕らは莫迦じゃない
ロマンを引き抜いても僕らが流れ星に願うのは夢を叶えてもらいたいからじゃない
別の意味が眠っているのさ
流れ星に願うのはきっとね最初から叶わないことなど知っているからで
知っているからこそ流れ星に願いをかけることで自分の中にある常識的な固執した部分を砕くために流れ星に願いをかける無意味さを心の中で解きほぐしてある種の満足感を得るのさ
そうやって夢は夢としての意味と目的とを果たす
流れ星はいわゆる
それを引き出すための大まかなキーワードなのさ
流星群みたいに
たくさん降り注げばそれだけの満足感が得られる
流れ星は夢を叶えるためじゃなくて夢を叶えられない自分の不満や不屈を消し去るためのいわば麻薬なのさ
そうしてまた流れ星は僕の心に降り注ぐことになるだろう
僕には叶えたいと思う夢はあっても叶えようと努力する気はさらさらないから
よけいに妄想に耽たくなる
そのための流れ星なのさ
ロマンはあくまでもロマンのままにとどまらせ現実にしないのが僕の主義だと永久にごまかし続けて
自分を持ち上げて
流れ星は目覚めた朝もなにをしている時でも流れるんだ
この胸の中にたとえようのない妖しげな光をまたたかせて
流れ星はその名のごとく流れる星のまま僕の脳裏をすーっとかすめてゆく
満足感は悲しいものだ
だけれど歩き出す気のない僕にはそのくらいでいいのかもしれない
流れ星にはロマンが満ちてなければいけないから
現実の苦水をすわせるわけにはいかないから
流れ星は奇麗なまま在るべきだから
僕はあえて妄想から先は触れない。