詩人:どるとる | [投票][編集] |
真っ赤な夕日が赤々と燃えて 夜になってもまだ遊び足りなかった幼い頃の僕ら
いつの間にか みんなで遊ぶこともなくなって 秘密基地つくった空き地も駐車場になった
大人になった今じゃ
もう連絡することもなくなって 連絡先すら 知らなくて
思い出だけがいつまでも この胸の中で夕日みたいに熱く燃えている
わすれものしてきてしまったよ 遠い日のあの空き地に
お金で買えるものじゃないから もう取り戻したくても取り戻せやしないけど
形とか色でたとえられない それは思い出という あざやかな記憶
大人になるたびに薄らいでゆく大切な思い出たちが この心の中から鳥のように飛び立ってゆく その一羽一羽が僕の大事な思い出なのさ
あの日泥んこになって 駆けずり回った空き地は もう今はないけど そこにあった笑顔も思い出のあとも
喧嘩して流した涙も
全てがそこにまだある 見えないけど
真っ赤な夕日が駐車場を照らせば昔の記憶があざやかによみがえるんだ
久しぶりに行った
空き地だった場所は
たくさんの車で
思い出も何もなくなっちゃった気がしたけど こんなふうに目を閉じてみれば
まだあの頃の笑い声や鬼ごっこしてはしゃぐ声が聞こえる
そして僕は思い出にまた別れを告げ
元空き地をあとにする
背中向けたまま
小さくあの頃の僕に手を振った 夕暮れ。