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どるとるの部屋


[3046] 父の背中
詩人:どるとる [投票][編集]


サラリーマンは今日も 朝からなんだかお疲れ気味
満員電車必死に吊革につかまって あっちに押され今度はこっちに押され
たまに痴漢に間違えられそうになって汗をかく

満員電車から抜け出て会社に行けば行ったで上司や部長から
あーだこーだ文句を言われ愚痴なども聞かされるけど それにもたえて営業スマイル わざとらしいお世辞をあっちへこっちへ振りまく

全国のサラリーマンたち本当にお疲れ様
重たい鞄を背負って
本当、お疲れ様
よっ!一家の大黒柱
その岩をも砕く頑固さで未来を照らす光となれ

ああ今日も泣きたくなる時もあるけど
家族のため
はては子供たちのため
サラリーマンは
理不尽な社会と正面きって戦うのさ
世のため人のためというのはただの口実なのさ
ああ それがサラリーマンに与えられた宿命なのさ
でも立場のない平社員には逃げ場所が奥さんしかないよ
でもいつも
応援してくれる
家族のため
妻のため
子供のため
今日も頑張る
全国何万人いるお父さんです

いつもは厳しい父も家に帰れば 丸くなって子供と遊んだりする
仕事が生き甲斐だとか言いつつも本当は根っからの遊び人
休みには競馬も 競艇もパチンコやりたいけど やればやるほど泥沼にはまるギャンブルは身の破滅を招く

本当に不器用で
本当に頭堅くて
歳をとればとるほど
煙たがられる父だけど
考えてみればずいぶん
世話になっているね
それがお父さんなんです

お父さんの毎日は
きっと僕が思うより大変なんだ
でもそれを一言も言わずにいつも行ってきますと出かける父の背中は大人になるたび 大きく見えた

いつか そんなお父さんの背中が丸くなって僕より背が縮んでしまったら きっと
性格も今よりずっと頑固になって
だけどそんなお父さんを僕は嫌いになれないだろう

世界中のどこ探しても世界中でただ一人の僕のお父さんだから
なんだかんだ好きだ。

2011/07/04 (Mon)

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