ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 感情論

どるとるの部屋


[3058] 感情論
詩人:どるとる [投票][編集]


テレビには悲しいニュースが流れ
今日も朝から憂うつになるんだ

焼けるような夏の陽射しから逃れるように日陰に逃げる 人の群れ

平気で人前で ゴミを投げ捨てる人や
優先席を我が物顔で占拠する奴
お年寄りが吊革につかまってても席を譲ることもなく話し続ける愚か者
あろうことか人が転んでも心配することもなく 通り過ぎる人の笑い声 最早情けは死語なのかい?

愛されている 狂おしいほど 僕は愛されている
でも愛されているだけで誰かを愛したことはないんだ
だからいつかは誰かを僕もあなたが僕を愛しているように僕も誰かを愛してみたいんだよ
資格や権利なんてどうだっていいのさ
僕の不器用な優しさやぬくもりを受け止めてくれる人を僕は愛すだけだ

特別なことなんて
何ひとつなくていい
それとない言葉でも慰めくらいにはなるさ
また今日も夜が明けて賑い出す街 カラスがゴミを漁る

うだるような暑さに
誰もが一様に『暑い』と言っているさまは滑稽で笑えるね

感情論に持ち込んで
たとえばあなたが同じことをやられたらどうだとか 僕は世の中の腐った連中に言ってやりたいよ
単純に人を愛して
単純に人を気遣える
それだけできっと
人なんていつだって完璧なんだよ
頭がいいとかスポーツができるとかそんな事よりずっと大切な忘れかけてる何かを今こそ思い出して
すぐそばで泣いている誰かに君なりの慰めをくれてやれ

誰かが心配だとか
まず後先考えずに
誰かを守れるとか
何かそんな
迷いのない
優しさだとか
ぬくもりだとか
漠然とした愛だとか
もっと僕らは持ったほうがいいな
そうだろ?

難しいもんなんて何ひとつないよ
ただ誰かを心の底から素直な気持ちに従って 心配したり思ったり気遣えるだけでおまえの中の良心が泣いている誰かを抱きしめているから
うまくなんてできなくていい 目の前の人を自分と同じように愛すのさ。

2011/07/09 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -