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どるとるの部屋


[3179] 悲しみという雨
詩人:どるとる [投票][編集]


雨が降って 窓をたたく土曜日
曇り空から 小さな雨粒が降る
どのチャンネル回してもくだらない番組ばかり
愛をなくした人
愛を手にした人
悲しみに暮れる人
喜びに浮かれてる人
たくさんの人がいるけどどんな人にも見えているこの雨ひとつにしてもいろんな見方がある

あなたの心の中に降る雨はどんな雨ですか?

どんなに雨が強く降っても 洗い流せない過去がある
忘れられない人がいる
傘をつきぬけて 悲しみが僕の心を突き刺すよ
僕の心を濡らすのは雨よりずっと冷たい
悲しみという雨

虹の向こうに
信じた光
差し込めば
笑えるけど
そんな笑顔は
一時しのぎのごまかし

だからさよならするのさ 背中を向けて
雨がやむのも待たずに 走り出すのさ
傘を投げ捨てて
黄昏てみたよ

そんな雨の日

なんでもない
雨の日

僕の瞳からも雨が降る 雨が降る

悲しみという雨

避けられぬ雨に
うたれて
うたれて
忘れたとき遠ざかる雲に 呆れた顔で ため息をついてみても

誰かの傘がひとつ
道の片隅に 置き去りにされている
もう雨はやんだ

でもまだ濡れている 僕の心。

2011/08/20 (Sat)

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