詩人:どるとる | [投票][編集] |
雪は降るよ 冬になればね ほらみててごらん
君の心さえ白く白く染めて
恋人ばかりが街を埋め尽くしてまるでお菓子の詰め合わせみたいだ
なんてね つまらないジョークをとばした
君がくれたマフラーを巻いて出かけるよ
ちょっとだけちょっとだけ短いマフラー
だけれどおきにいりさ
寒いこの冬をあたたかくしてくれる
君がくれたマフラーを巻いて首どころか心までぽかぽかさ
雪が舞い降る
空から白い贈り物
手をつないで
はしゃぐ僕らはまるで子供さ
雪のような白いマフラー ふかふか
ありがとう
ただそれだけ
言ったら
君と通算20回目のキスをするんだ
雪にまもられて
その時間だけは永遠だった…
遠い昔の話さ
今は君はいない
もう少しで振り出しそうな雪の冷たさにたえるにはこの白いマフラーだけじゃ無理なんだ
このマフラーのあたたかさには君の存在のあたたかさがないとね
今気づいたよ
君の存在がどれだけ僕を救ってたのか
なんだか涙が出てきた
雪が降り出す前にほら白い涙がほほを伝う
僕の心の温度はもうあの頃みたいにぽかぽかにはならないかもしれないけれど
君がくれたこのマフラー巻いてまた雪が降る街に出かけるよ
またあんな恋ができたらいいなぁ
なんてね
僕は今 白い夢の中をさまよいながらあの日の記憶を思い出していた
朝、目覚めた僕の瞳には涙がひと粒
窓を開けたらあたり一面雪景色
窓に書いたよ 指で書いたよ
あの日言えなかった
ごめんとまだ愛してる
まだ愛してるだけ消して僕はカーテンを閉めた
マフラーで目隠し
ほら あたり一面雪景色みたいに真っ白
悲しいくらい何も見えない
涙で濡れたマフラーがぽつんとあるだけ
そんな冬に僕は今
来てしまった
この切なさ
どう背負えばいい?