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どるとるの部屋


[330] 泥棒猫ちゃん
詩人:どるとる [投票][編集]


切り傷みたいな三日月が夜空に走る
輝くその月の下
小さな窓から
僕はあの子のことを考えてる
あの日、僕のハートを盗むように一瞬でかっさらった手際の良さにときめいた
まるで君は風みたいに僕のハートを盗んだ
ルパンやねずみ小僧よりも凄腕だね

君はなんて名前なの?
君のすべてが知りたくなるよ
こうなったら

泥棒猫ちゃんのまん丸いルビーみたいな瞳に見つめられて
僕は動けない
メデューサの瞳
石と化した僕の心
もう君から目が離せない
君だけだよ?
こんな気持ちにさせたのはね

今宵もまた浮気な気持ちで誰かに知らず知らずその摩訶不思議な鱗粉をばらまいているの?
夢中になる
虜になる
猫ちゃんがニャーンと鳴いただけで僕は走り寄ってゆきたくなる

君は猫ちゃん
僕には
僕は魚さ
君に食べられちゃう
尻にしかれたっていい
座布団の代わりにしてよ
ボロボロになるまでつかっていいよ

そんな気持ちにさせるのさ 君ってレディは
君ってレディは

ニャーンと今日も君の鳴き声が聞こえる
僕だけのものさ
今は 今は 今だけは
それだけで幸せはこの手にある

明日はまた違う空の下で違う魚を食べるのかい?それでも僕は君に食べられたい

骨まで余すことなく
君に食べられるなら
幸せだから

どうぞ
骨までご賞味あれ…

2009/10/19 (Mon)

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