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どるとるの部屋


[337] 青い夜 鈍色の朝
詩人:どるとる [投票][編集]


孤独な空をずっと見つめていたんだ
独りで見上げる空ほどつまらないものはないね
だから思いがけずあふれ出しそうになる涙

何かといえば誰かのせいや世の中のせいにしたがるのが常で
そんな自分がいたことさえ誤魔化そうとするけど

青い夜にこぼれた涙は鈍色の朝に目覚めた瞬間に溶けて消えた
昨日のあんなに切ない思いを時間が夜のあいだに変えてしまったのだろうか

いいや
そんなはずはない

昨日の僕は確かにいた
それを否定するのとおなじだろう
昨日の切なさはここにあった
昨日の散らかってた思いはまだ消えちゃいない

すっかり冷め切ったブラックの珈琲と
小さな葛藤と目覚めの悪い頭
まんがみたいにスズメが鳴くようなただの朝

誰か 僕に刺激を
ください
今のすべてを
変えてしまうような

そんな ゼイタクな望みを抱いてしまった僕だから

今日も見つめてる
昨日とおなじ青い夜に輝く満月
狼男は満月を見ると毛むくじゃらになる
僕は満月を見ると悲しくなる なぜだかね

ちっともおかしくなんかない
生きてればみんな思うだろう?抱くだろう?孤独な空を

そしてまた昨日とおなじように冷め切った珈琲 ぐっと飲み干してやつれ気味のミイラみたいな顔で出かけてく
仕方なく選んだ未来のお世話させてもらっている 煙いばかりの工場へ

静かな足取り 時間ばかり気にしてさ
いつか こんな長い時間さえも終わるときが来たなら悲しいのかな
なんて思ったよ
青い青い夜に

満月が一瞬こちらを向いて笑った気がした
そんなわけはないよな…だなんて少し笑ったら眠るだけ

そんな繰り返し
鏡に映したように
変わり映えもなく
続く 続く
始まり終わり
また始まる
日々

僕はそこにいるよ
いつかここにいた人になるまでは生きさせてもらいましょう
たとえ無力で非力な僕でも。

2009/10/20 (Tue)

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